看護師の皆さん、こんにちは。
夜勤歴28年。自称ベテランナースのS子です。
最近の夜勤ってどうなのか、気になりません?
(うん、うん。気になりますよね~。)
そこでS子が、夜勤の最新情報をドドーンと丸ごとお届けします。
とくに夜勤をもう1度したい!と思っているそこのあなた。
是非、ご覧あ~れ。
ベテランナースS子の実態から
まず手始めにわたしの実態からお話しします。
(興味のない方は飛ばしてね!)
22歳:救命救急(3年)
25歳:整形外科病棟へ転属(5年)
30歳:一般男性と結婚&出産&育児
35歳:5年のブランク後、整形外科病棟復帰(5年)
40歳:精神科病棟へ転職(5年)
45歳:介護施設へ転職(10年)
55歳:ベテランS子の誕生
ご覧の通り、ずーっと夜勤やってます(笑)
新卒で夜勤スタート!
その間にダーリンと出会って、結婚して、子育てして、復帰して・・・
転属、転職も経験しました。
そんなS子が経験してわかったこと。
「20代~30代で夜勤経験しといて良かった~」です。
・貯金ができる(S子は浪費家、でも1千万は貯まりました)
・若いからプライベートを楽しむパワーがある
・看護師としての経験が積める
ところが、40代~50代になるとまるで状況が変わります。
・体力的に辛くなる
・家事や育児と両立しないといけない
つまり、自分と周囲の条件がガラッと変わる時期なんですよね。
でもS子の場合、ずっと夜勤してたのでスキルがそれなりについてました。
なので、もっと楽に夜勤ができる場所を、事あるごとに選んで働くことができています。
若いうちに夜勤で経験積んでおけば、年をとっても働き方や働く場所を選べます。
以上がS子の人生でした。
ここからが本題です!お待ちかねの「夜勤の最新情報」
お届けします。
勤務体制をサラッと教えて!
夜勤の勤務体制は、ご存知の通り2交代制と3交代制のどちらかになります。
とくに最近は2交代制が主流です。
日本看護協会の最新のデータ(2017年4月)によると、
2交代制を導入している病院が6割、3交代制が4割ですね。
2交代制の勤務体制について教えて!
2交代制の勤務時間は1回16時間前後。
日勤:9:00~17:30
夜勤:17:00~翌9:00
夜勤回数は、
月平均4回
合計60時間前後
夜勤手当は、
1回約1万円×4回=約4万(1カ月)
と、なってます。
みなさんも、夜勤していた時は、こんな感じでしたよね。
じゃあ、3交代制の勤務体制は?
3交代の勤務時間は、1回8時間前後。
日勤:9:00~17:00
準夜:16:00~24:00
深夜:24:00~9:00
夜勤回数は、
月平均8回
合計60時間前後
夜勤手当は、
1回約5千円×8回=約4万(1カ月)
と、こんな感じです。
2交代と3交代の夜勤手当は、1カ月で考えると4万前後!
2つ違いは1回の勤務時間ですね。
2交代は16時間に比べ、3交代はその半分です。
逆に、2交代は月4回だけど、3交代はその倍の8回夜勤が入ります。
1回の時間を長い代わりに回数の少ない2交代。
1回は短いけど回数が多い3交代。
この2つの変則勤務が夜勤の働き方です。
日勤と比べて給料は?
もちろん!高いです。
ちょっとこれをご覧ください。
年収ベースで約70万違います。
月に換算すると5~6万円。
夜勤手当分が上乗せされていると考えられます。
給料UP狙うなら、夜勤をすればその分稼げることがわかります。
仕事内容は?
ザッと説明するとこんな感じです。
・申し送り(←日勤当番より)
・夜勤看護師とのショートカンファ
(情報収集、行動計画)
・点滴、内服薬の準備
・バイタルチェック
・夕食の準備、介助、片付け
・検温
・マウスケアのセッティング
※交替で食事をとる(看護師)
・バイタルチェック
・眠前薬の配布、オムツ交換、トイレ介助
・ラウンド(巡視)
※仮眠、休憩(看護師)
・看護記録
※交替で食事をとる(看護師)
・バイタルチェック
・朝食準備
・トイレ介助、オムツ交換、点滴
・食事介助、看護記録
・食事片付け、服薬介助
・マウスケア
・カルテ記入
・申し送り
基本的には日勤と変わりません。
ですが、受け持つ患者さんの人数が2倍以上になります。
何もなければオムツ交換、記録、巡視、翌朝の準備といったルーティンで終わります。
ただし、急変時は人手が少ない分一気に慌ただしくなります。
S子はチームワークと根性で乗り切ってました(汗)
休みはどんな感じ?
だいたいの病院が4週8休ですね。
一般企業の場合、完全週休2日制が主流ですが、看護師は夜勤があります。
変則勤務の性質上、週に2日必ず休みを取るのはかなり厳しい!
そのため「4週のどこかで休みをとる」ことで幅を持たせています。
(※4週8休:4週間で8回休みをとる)
2交代の休みはどんな感じ?
連休が取りやすいです。
2交代は夜勤が月4回程度。
1回の夜勤は長いけど、それ以外が日勤か休みになります。
とくに夜勤明けは休みのようなもの。それにプラス1日すると連休感覚で休めます。
なので2交代は「意外と休みが多い~」と感じますね。
じゃあ、3交代の休みは?
休みが散らばりがちで、連休は取りにくいです。
3交代は夜勤が月半分ぐらい入ってきます。
1回の夜勤は短いけど、日勤、準夜勤、深夜勤がコロコロ入れ替わります。
2交代と比べると明けの休みがない分、連休が少ない!と感じますね。
シフトはどうなってるの?
これも2交代か3交代かによって違います。
2交代のシフトはどんな感じ?
病院によって3パターンあります。
管理の行き届いた余裕のある病院はこんな感じです。
日勤➡夜勤入り➡夜勤明け➡休み
もしくは、
日勤➡日勤➡夜勤入り➡夜勤明け➡休み
の繰り返しです。
ところが、人手不足の病院だとこうなります。
日勤、日勤、日勤、日勤、夜勤入り、夜勤明け、休み
さらに、ブラックな病院はこんなシフトまである始末。
日勤、日勤、日勤、夜勤入り、夜勤明け、日勤
つまり「間」に休みがない(汗)
夜勤が辛いって言うけど、要は看護師が足りているかどうか?
これにつきます。
看護師の数に余裕があれば必ず連休組めますよ。
3交代のシフトはどんな感じ?
こちらも、病院によって2パターンあります。
管理の行き届いた余裕のある病院はこんな感じです。
日勤、午前、深夜、休み、日勤、日勤、準夜、休み
人手が足りている病院は、日深の連続シフトが極力ありません。
体力的にハードですからね。
代わりに、午前半日勤務➡帰宅➡深夜勤の体制をとっています。
これだと日→夜勤入りの合間に余裕が持てますよね。
ところが・・人手不足の病院だとこうはいきません。
超激務の1.日深夜の連続シフト2.準日の逆循環シフト
この2つの過激シフトに悩まされることになります。
1.日深夜の連続シフトとは?
9~17時で働いた後帰宅して
7時間後の24時に再び出勤。
それから翌朝9時までビッチリ働く過激シフトです。
2.準日の逆循環シフトとは?
16~24時で働いて帰宅。
9時間後の翌9~17時の日勤をこなす。
これまた過激シフト。
つまり、次の勤務まで8時間しかインターバルがない!
こんなシフトをこなせるのは、病院敷地内の寮に住んでいる看護師ぐらいです。
自宅が遠い看護師は、眠れるかどうかすら危うい状況。
なので帰らずに仮眠室で休んでしのいだりしています。
結局、夜勤の業務量をこなせるだけの看護師の数がそろっているか。
これにつきますね。
仮眠はできるの?
病院によっては2時間程度の仮眠時間があります。
3交代の場合、仮眠ではなく1時間程度の休憩時間が設けられています。
2交代は16時間勤務のため、病院によっては2時間の仮眠時間を設けています。
仮眠室にひきこもってベッドで仮眠がとれます。
ただし・・これはホントに病院次第。
仮眠室がない。
PHSやナースコールを所持したまま休憩。
そもそも仮眠時間が少ない。
病院によって、条件がピンキリです。
きちんと環境が整っているか。
事前にチェックできるなら是非しておくべきですね。
プライベートと両立できる?
工夫をすれば両立できます。
2交代は1回の勤務時間が長い分、休日が多いです。
明けと休みで連休になるため、この間をプライベートな時間にあてられます。
3交代は連休が少ない分、1回の勤務時間が日勤と同じで短いです。
翌日のシフトさえ気を付ければ、普通に余暇を過ごせます。
とくに主婦や育児中のママさんには、3交代の方が家族と時間を合わせやすいです。
ですが・・・(汗)
これも病院の力量によります。
看護師の人数が足りている。
シフトの希望や調整をきちんとやる体制がある。
こんな病院なら融通が効くのでプライベートも両立しやすくなります。
夜勤は辛いって聞くけどなぜ?
とにかく不規則なところです。
日→夜勤と起きている時間がコロコロ変わる。
これに体と心がついていけなくなると疲労感だけがつのります。
なるべく休みが多くて、シフトの組み方に配慮してくれる病院で働くべきです。
次に、日勤と比べて看護師の人数が少ないところですね。
日勤なら一人で7人程度。
夜勤なら一人で倍の14~5人見ないといけない。
つまり50人ぐらいの患者さんを3人で担当している。
何もなければ良いけど、急変や緊急入院など何かあるとバタバタ大変です。
あとは、時間が読めないところかな。
高齢者や重症度の高い患者さんに増加に伴い、急変や緊急のオペで休憩なしで対応するケースもあります。
そのほかにも、死亡退院や入院対応の引継ぎで残業になることもありますね。
それに、不穏患者や認知症の患者対応が加わります。
痴呆による暴言や、オペ後の不穏患者の対応に追われてヘトヘトになる場合があります。
患者さんによっては、10分おきにナースコールを鳴らしたりと、対応に追われます。
同様に、高齢者や要介護者の対応
通常は介護スタッフや、医療スタッフと分担しています。
中には、介護スタッフが少ないと看護師がその分行うため、オムツ交換や体位交換、痰吸引が重労働になります。
S子の病院は、介護スタッフがほとんどやってくれていたのでその点楽でした。
最後に、気の合わない同僚と長時間関わる
夜勤は巡視や管理がメインになるため、リーダーナースや同僚と関わる時間が多いです。
気が合う仲間なら最高ですが、そうじゃないと最悪です。
シフトや休みの都合、仕事のスピードなどで実際もめる機会が増えがちです。
きちんと体制管理してくれる病院なら、シフトの入れ替えやペアの変更をしてくれるのでその点は安心です。
メンバーやシフトをきっちり管理してくる病院で夜勤をすること。
これが夜勤が快適になるカギとなります。
夜勤は病院選びがカギ!?
いかがでしたか?
夜勤の実態をひも解いていくと、病院によって待遇や環境が違うことがわかります。
管理の行き届いた病院なら、夜勤は十分快適です。
ベテランS子も介護施設で夜勤を快適にこなせています。
これから夜勤をしたい方。
夜勤のある病院に転職を考えている方。
キッチリ病院を調べて、快適夜勤ライフを送りましょうよ!
追記:夜勤の管理体制バッチリな病院に転職したい方はこちら
→→→信頼できる転職サイトベスト3
もっと夜勤のことを知りたい方は、以下もごらんあれ!
夜勤のメリットは何?
もちろん、沢山ありますよ(笑)
・給料高め
・休みが多い
・急変以外は処置やナースコールが少なくて楽
・平日昼前に遊べる
・じっくり記録や残務ができる
・看護師と自然と仲が深まりやすい
ザッとあげるとこんな感じです。
日勤とは違う魅力が夜勤にはありますね。
じゃあデメリットは何?
健康を崩しがちなところですね。
・不眠症率
・発がん率
・うつ病発生率
日勤と比べるとリアルに高いです。
発がん率は日勤に比べて2.3倍
これは、睡眠中のサーカディアンリズムが乱れることが原因です。
とくに真夜中0時を超えるとリスクが上がります。
中でも、乳がんの発生率は日勤に比べて2.3倍!
うつ病率も同様に高くなっています。
しっかり休息と睡眠をとって注意したいところですね。
美容が気になります。ニキビや肌荒れしない?
はい、します(汗)
でも、実際はメンテのやり方次第です。
夜勤は日勤と違い、患者さん以外の人に会いません。
ほとんどの看護師が、保湿クリームだけ塗ったら、マスクで顔を隠して乗り切っています(笑)
つまり、ほぼスッピンですね。
洗顔が面倒だったり
仮眠後に化粧直ししないといけなかったり
急変があればケアなんてできないし
それならスッピンの方がよっぽどお肌に優しいです。
洗顔と保湿+マスク
これだけでなんとかやってます。
(S子も美肌をキープしています。)
72時間ルールって何なの?
看護師は、夜勤を月72時間以上してはいけないというルールです。
2交代制の病院で月4~5回まで。
3交代制の病院で月8~9回まで。
となったのはこの72時間ルールが一つの基準となっているからです。
ところがルールが除外される場所もあります。
まず対象はこちら。
・7:1、10:1入院基本料を定めている一般病棟
対象外はこちら。
・集中治療系(ICU,NICU、HCU)
・救命救急
・回復期リハビリテーション病棟
・緩和ケア病棟
・認知症治療病棟、
・介護施設などは対象外です。
対象外となったのは、昼夜を問わず、看護のクオリティを同じレベルでキープしなければならないから。
そのため日勤と同じぐらいの夜勤看護師の数が必要ってわけです。
とはいえ・・・
実際は、3割以上の看護師が72時間を超える夜勤をしています。(日本看護協会より)
超過しても、夜勤加算手当なんてほとんど支払われていません。
裏を返すと、7割の看護師は72時間以内で収まっているんです。
病院によって超えるか超えないか。
やはり病院次第ってことですね。
夜勤を希望するあなたへ
いかがでしたか?
夜勤を快適に過ごせるかどうかは、ハッキリ言って病院次第です。
最近はとくに夜勤のハードさが問題視されており、病院の課題とも言われています。
病院もなんとかしたいと思っています。
実際、体制や環境の改善に力を入れている病院は沢山あります。
これから夜勤をするなら、そんな病院を選べば夜勤は絶対アリです!
追記:夜勤の管理体制バッチリな病院に転職したい方はこちら
→→→信頼できる転職サイトベスト3