転職活動中で忙しい看護師のみなさん、こんにちは!
わたしは都内総合病院で約5年、採用担当をしている元看護師です。
今回は、志望動機の作り方についてお話します。
ご心配なく!テンプレ(例文)を使えば簡単に完成できますよ。
レッツ スタート!!
まずはテンプレでイメージをつかもう
では、さっそく。テンプレ回答を紹介します。
あなたの転職理由に合ったテンプレを見つけましょう!
脳神経外科と耳鼻科の混合病棟で4年勤務しました。
いろいろな疾患の患者さんを看ているうちに、とくにカラダの全てをコントロールする脳に興味を持ちました。
こちらは、脳神経外科でかなりの実績があると聞いています。もちまえのコミュニケーション力でもって、脳に関する知識と経験をどんどん吸収していきたいと思っています。よろしくお願いします!
まず経験をさらっとアピール!そして応募先でどのようにキャリアップしたいのか語る。この2点でOK!
〇〇総合病院の急性期病棟で6年勤めました。
決して残業自体がダメ!というわけではなく、決められた時間内でメリハリをつけることも大切だと思っています。
こちらは勤務体制がきちんと確立しており、看護師の教育体制も整備されていると聞いています。入職した場合、いただいた時間は自分が成長する時間だと思って頑張ります。
残業が少ない分、〇〇をしたい。〇〇ができる。と前向きなアピールをしましょう。この場合、しっかりと学習したいとアピールしているところがGOODです。
○○総合病院の循環器内科で3年勤めました。
こちらの病院は、さまざまなことにチャレンジする環境があり、その分仕事に対する評価がしっかりとされている印象を持ちました。入職したら少しでも早く一通りの業務ができるようになりたいと思っています。そして新しいことにもチャレンジし、病院や患者さんのお役に立てるようにと思っています。
お金のことは病院には言いにくいはず。その代わり「〇〇な環境」「〇〇制度」が整っている!と少し的をづらして述べると前向きに伝わって良いです。給料は事前に求人票でわかるので、あえて口にする必要はありません。
〇〇総合病院の〇〇科で6年勤めてきました。
通勤時間は片道2時間以上でした。6年間、無遅刻でしたが、長く続けていけるだろうかと悩んだ結果、転職を決めました。
こちらは家から15分で通えます。実は、ほかにも近所の病院をいくつか見学をしたのですが、こちらの病院の「地域密着型の医療」が決め手で応募しました。家から近くなった分は学べる時間だと思っています。末永くお役に立ちたいと思っています。
正直、通勤時間は大した理由に思われません。その分「近くなった分、学びたい!」「長く働きたい!」この2つの意思を面接官に伝えると評価がUPします。
〇〇総合病院の急性期病棟で4年勤めました。
とても看護スキルのあるリーダーでしたが、何度か提案をしても多忙のあまりそれ以上話が進むことはありませんでした。とはいえリーダーを飛び越えて主任に提案するとルール違反になるため、結局、提案が実ることはありませんでした。
こちらは、新人からベテランまでだれもが発言しあえる風通しのよい印象を受けました。少しでも早く業務に慣れ、新しい事にもチャレンジしたいと思っています。
人間関係のトラブルを「業務の進め方の問題」にすりかえるテクニックを使っています。
人間関係で辞めた人は、応募先の病院でトラブル材料になるかも!と思われがちです。かといって、トラブルを隠して嘘をつくのも大変ですよね。すりかえ(言い換え)テクニックはオススメです!
〇〇総合病院の内科病棟で5年勤務しました。
患者さんとの関わりを大切にする中で、とくに高齢者の患者さんを看護したいと思うようになりました。
こちらの経営理念の「高齢者の患者様に愛と優しさをもち、地域社会の向上に貢献する」にとても共感したため応募しました。
自分の経験や思いを、病院の経営理念とガッチリつなげている点がGOODです!納得できますよね。
〇〇総合病院の混合病棟で11年間勤めてきました。
毎日多くの患者さんを慌ただしくケアしながら、1人ひとりの患者さんと丁寧に関わりたいと思うようになりました。
こちらの「患者様との心の触れ合いを大切にした医療」スローガンはまさにわたしの理想とする看護師です。これまでの経験とコミュニケーション力を活かし、一日でも早くお役に立ちたいと思っています。
総合病院からクリニックは大きく環境が変わるため、特徴をおさえた理由があって良いですね。その他、応募先のクリニックの特徴と自分との共通点を含めると親近感UPします。
Next!!
自分に合ったテンプレを見つけたら、今度は自分用にアレンジします。
では準備作業から、どうぞ。
情報を集めてみよう
テンプレを自分用にアレンジする前に「病院の情報収集」と「自己分析」が必要です。
簡単に言うと、病院と自分のマッチング作業です。
これをやっておくと、志望動機のリアリティが格段にUPするので、面倒だけどキッチリやっておきましょう。
ではまず、病院の情報収集から。
病院の情報収集
情報収集は「病院のどこに惹かれたのか?」その根拠を探す作業です。
具体的に、以下を収集します。
【病院情報】
・経営理念、方針
・病床数、患者数、手術件数
・力を入れている分野、科
・扱っている医療技術、医療機器の特徴
・看護部の方針
・看護師向けの制度や研修の特徴
・働いている看護師の特徴
【求人情報】
・専門スキル、医療技術、資格
・科の経験年数
・求められている看護師の人物像
(協調性、積極性、コミュ力など)
・勤務条件
(勤務日数、シフト、夜勤回数など)
応募先の情報は具体的であればあるほどOKです。
それだけあなたがしっかり調べてきたことが相手に伝わりますからね。
調べたら、箇条書きに書き出しておくところまでで一旦終了です。
次に、自己分析です。
自己分析
自己分析は「過去の自分」と「これからの自分」を、まとめる作業です。
つまり「自分はどんな人で、これまで何をやってきたか?そして、これから何をやりたいのか?」を洗い出します。
欲を言えば、「次の病院でやりたいこと」に結びつけるところまでやっておきましょう。
例えば以下のようなことを自己分析します。
・自身の人物像(協調性、積極性、コミュ力)
・長所と短所
・何にやりがいを感じるか
・看護師としての目標
・特に心に残っている出来事、エピソード
(頑張ったこと、苦労したこと、嬉しかったこと)
・科の経験(スキル、年数、職位)
自己分析してわかったことの中から、応募先の病院で役に立つものだけをピックアップするところまでで一旦終了です。
これで準備は完了しました。
料理でいうなら下準備完成!です(笑)
いよいよ集めた情報をベースに、履歴書の志望動機を書きます。
書いてみよう
履歴書の志望動機の欄にかける文字数は、多くても200字程度(原稿用紙の半分) です。ダラダラと書くと一瞬で埋まります(汗)
どうしても伝えたいことだけに絞り、密度の高い志望動機を目指しましょう。
これは余談ですが、まとまりのない長文より、箇条書きでも要点だけにまとめた文章をオススメします。読みやすい上に、短時間で読めるので面接官からも好評です。
志望動機を書く際の注意点があります。
ちょっと押さえておきましょう。
履歴書に志望動機を書く注意点
履歴書を書く上で1つだけ注意しておきたいことがあります。
”履歴書全体(経歴、長所と短所、自己PR)の一貫性を持たせること”です。
担当者は採用のプロです。
これまでに何百、何千もの履歴書を見ています。
履歴書をパッと見ただけで、ウソかホントかぐらいはわかります。
その判断基準が”一貫性”です。
経歴と自己PR。
自己PRと志望動機。
これらに一貫性があるれば事実だと判断します。
それだけじゃない。
あなたの本気度も判断します。
経歴と志望動機に矛盾がない。
長所と志望動機に一貫性がある。
一貫性があればあるほど、志望動機にも説得力が出ます。
ウソはいけません。
でも、本気度を見せるためにはこの”一貫性”が重要です。
「1年だけ頑張った!それから他の科に変わった。」
というよりも・・・
「5年間、ただ○○を目標にひたすら努めてきた。」
事実と動機に一貫性を持たせることが相手を説得するためには重要なテクニックです。
ちょっとだけ頭の片隅においておいてください。
では、続いて書く内容についてお話します。
履歴書の志望動機に書く内容
以下は志望動機の原型です。
「(前半)わたしは〇〇な性格です。
〇〇な経験をしてきました。
そこで〇〇をしたい(なりたい)と感じました。
(後半)この病院は〇〇な特徴があります。
だから、この病院で〇〇をしてお役に立てればと思い志望いたしました。 」
これを埋めるためには、4つポイントがあります。
実際に書くときは、上記①→④の順番で書きます。
先ほど書き出しておいた「情報取集」と「自己分析」をベースに具体的に文にします。
「今までわたしはこんな経験をしてきました。」
※経験内容やスキル
(例)
・○○科の経験が○年
・○○のスキルがある
・科特有の業務内容、看護スキル
・リーダー、プリセプターの経験が○年ある
「経験するうちに、こんなことをしたい(なりたい)と思うようになりました。
※これまでの経験でわかったこと
例)
・これから〇〇を経験したい
・これから身につけたい○○のスキル
・目標にしている○○について
・希望する○○について
「そして、○○が理由でこの病院を選びました。」
※応募理由、この病院じゃないといけない理由を含める
(例)
・この病院の○○科の○○な特徴に興味がある
・○○なスキルが身につく
・○○の経験を活かせる
・経営理念に惹かれた
「これからこの病院でこんなことをしたいと考え志望しました。」
※業務内容、科の特徴を含める。
(例)
・この病院で○○ができる
・○○科の○○で役に立ちたい
・○○な部分で貢献したい
・(○○の経験を)○○で活かしたい
このように、集めた情報を元にギュッとまとめて順に書けば、自然と一貫性のある文章になります。
ここまでは、履歴書の志望動機の書き方についてお話ししました。
続いて、書いた志望動機が本当に大丈夫なのか?
採用側が何を見ているのか?把握する必要があります。
病院の視点で見直してみよう
まず、採用担当者が志望動機の何をチェックしているかを把握します。
1.病院を調べているか(理解して応募しているか)
2.自己分析できているか(己をわかっているか)
3.マッチング度(病院と応募者のニーズが一致しているか)
4.コミュ力(わかりやすいか)
5.働く気があるか(やる気はあるか)
この5つを重点的に見ています。
えっと、結構キッチリ見られています(汗)
志望動機とは簡単に言うと「この病院を選んだ理由」です。
お給料が良いから。
近所だったから。
残業少なそうだったから。
休みが多そうだから。
本音としてはこんな感じじゃないでしょうか。
でもこれって、さすがにそのまま言えないですよね。
だからほとんどの人は、もっともらしい理由を考えてきます。
貴院の理念に共感し・・
仕事内容が素晴らしく・・
ところが、採用側はそれがキレイごとのタテマエだって分かっています。
そのタテマエをいかにあなたが本気で作りこんできたか?
それが知りたいのです。
経歴、自己PR、志望動機、長所、短所を丸ごと見直して、矛盾のないようにしておきましょう。
もし矛盾があるとするなら、応募先のことをあまり知らない。自分のしたいことが明確じゃない。応募理由が曖昧。
そんなところです。ここに矛盾があると面接でつっこまれてしまうので、きちんと固めておきましょう。
これで履歴書の志望動機は完成です!
続いては、面接の志望動機に移ります。
面接を想定してみよう
志望動機は面接においても必ず聞かれます。
つまり、応募先に伝える2度目のチャンスです。
1度目が先ほど書いた「履歴書」
そして2度目がこの「面接」です。
初めに、それぞれの役割を理解しましょう。
面接における志望動機の役割
面接の志望動機は履歴書を補足した「完全版」です。
履歴書では語れなかった、具体的な内容(スキルの詳細、エピソード)を補足して口語にしたものです。
一方、履歴書の志望動機はいわば「要約版」です。
エピソードや具体例をそぎ落とし、事実だけにまとめたもの。相手に伝えたいキーワードだけを伝えるとイメージしてください。
Next!
面接の現場でどのように聞かれるのか?確認します。
志望動機の聞かれ方と答え方
面接では、以下のように質問されます。
「あなたの志望動機をお聞かせください。」
「なぜ当院に応募したのですか?」
ここでは、履歴書に書ききれなかった「あなたの思い」や「具体的なエピソード」を面接官に伝えましょう。
もっともな理由を作りこんで、それを上手に演じることに意味があります。
面接官にあなたの熱意が伝わりますからね。
ただし、上手く演じるためにはより具体的であるべきです。
履歴書に書いた志望動機をベースに、具体的なエピソードや言葉を盛り込みます。
1.患者さんや上司、医師との心に残っているエピソード
2.第3者から評価された言葉
3.病院について知っている自分だけのエピソード
1:経験した具体的なエピソードを語ることでリアリティが出ます。
2:第3者からの評価の言葉を入れると説得力が出ます。
3:応募したタテマエの理由に、自分だけしか知りえない具体的なエピソードを補うことで相手に強い印象を残せます。
志望動機は面接の冒頭で聞かれることが一般的。
つまり面接の第一声となるのが志望動機です。
語る内容も大事ですが、語り方も重要です。
ハキハキと具体的に話せば、言うことなし!パーフェクトです!
最後に、志望動機に不安がある方へ
いかがでしたか?
志望動機はテンプレを自己流にアレンジすれば意外と簡単にできちゃいます。
あとは、面接で履歴書片手に話せばOK!
迷わずどうどうと採用担当者(面接官)にアピールしましょう。
あなたの成功を応援しています。
追記:「志望動機を作ってみたけど不安な場合はどうしたらいい?」と問い合わせがあったのでお答えしますね。
心配な方は、転職サイトの利用をオススメします。
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