看護師がパワハラの被害に遭ったら!3つの原因とその対策

パワハラに悩む看護師の皆さん、こんにちは。
メディカル調査員の梅林です。

パワハラから解放されて、もっと楽になりたいですよね。
上司が代わらないかなとか、穏やかにならないかなとか、辞めないかなとか。
「明日になればパワハラがなくなっている」
被害に遭っている看護師の切なる思いです。

ところが、現実は過酷です。
他の看護師の前で罵倒されたり、無視されたり、仕事を与えてもらえなかったり。
みんなギリギリのところで踏ん張っているんです。

パワハラに遭ったらどうすればいいの?
私は職業柄、よくこんな相談をされます。

答えは「立ち向かってみる」です。
ただし、期限を決めてやること。でなけりゃ、体と心が持ちません。

そこで今回は、パワハラの解決策をお話しします。読めば、きっと楽になれるはずです。

パワハラとは?

パワハラとは、”同じ職場で働く職員に対して、役職のある立場の職員がその立場を利用して、精神的or肉体的もしくはその両方の苦痛を与え続けること”です。
厚生労働省によると、パワハラには6つ種類があります。

1.身体的な攻撃(暴行・傷害)
2.精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
3.人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
4.過大な要求
(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
5.過小な要求
(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
6.個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
引用:厚生労働省「心の耳」より

パワハラといえば暴力!暴言!かなって思いますよね。
ところが、無視や隔離、仕事を与えない。
これも立派なパワハラです。
そう、意外と範囲が広いんです。

では、パワハラが起きる原因は何でしょうか?
実は、原因は3つあります。
しかも原因によって深刻度は変わります。

続いては、パワハラの深刻度とその原因についてお話します。
あなたがどのレベルなのか?
照らし合わせてみてください。

指導との違いは?

パワハラと指導の境界線は明確にはありません。
一般的には、受け手がパワハラだととらえれば、パワハラだと言われています。
ところが、実際は、自分に原因があって、その原因が客観的にみて理不尽でなければ指導の範囲と言えるでしょう。
ある程度の努力をすれば、解決できますからね。

なかには、指摘をされるとすぐにパワハラととらえてしまう人がいます。
人は辛くなると、自分よりも誰かのせいにしたくなります。
でも、本当は自分が改めるべきなのに・・です。
上司の思いが届かずに、こじれにこじれて辞めてしまうのは、残念です。

きつい言葉や繰り返しの指摘は、嫌な気分になりますよね。
でも、言われるからには理由があるはずです。
治せるところはないか。
辛いし悔しいけど探してください。

もし自分が原因だとしたら、むしろ幸運です。
決して落ち込む必要もなければ、凹む必要もありません。
だって、相手の悪いところを改善してもらうより、自分を改めることのほうが楽だし簡単だからです。

以下は、具体的な事例です。

上司のいう事に聞く耳を持っていない

耳の痛いことばかり言う上司と、距離をとりたい気持ちはわかります。
もっと、優しく行ってくれたらいいのに・・
わかります!
でも、苦手意識を持ちすぎていませんか?
人は知らない者同士だと、相手に攻撃的になりがちです。
何度言っても聞き入れない部下に、上司がいら立つ気持ちもわかります。
極端な話、できの悪い部下でも普段から話や相談をして接する機会があれば、それだけで仲間意識が芽生えるものです。

とりあえず、一歩だけ、一歩だけ、歩み寄ってみる!
「教えてください。」
「助けてください。」
と自分から頭を下げて近づいてみると、意外と上司のプライドは満たされます。
もし、自分から歩み寄ったことがなければダメもとで試してみてください。
子分になりきって上司を自分の手のひらで転がすぐらいの気持ちで挑むのです。

上司や周囲に迷惑をかけている

指摘されたり、きつめに言われると、人間誰でも腹が立ちます。
でも、そういうときこそ、本当に自分に非があったりするものです。
自分の弱みから目を背けては何も解決しません。

「業務のスピードは周りより遅くないか?」
遅いなら、ちょっとでも早くできるように努力する。

「受け答えは大丈夫か?」
少しだけ丁寧に答えてみる。

つまり上司の指導に謙虚に答える。
部下のあなたに必要な行動です。

ここまでのまとめ

指導はパワハラではありません。
努力次第で解決するからです。
指導は上司なら当たり前にやることです。
それがちょっときつめだとしても、です。
これをパワハラととらえて被害者意識を高めるのではなく、言われたことに謙虚に応じる。
これができれば、看護師としても成長できます。

逆に、自分を改めたのに相手が変わらないとしたら、それこそ理不尽です。
もうそれはパワハラです。
続けてごらんください。

どこからがパワハラ?

相手(加害者)に原因がある場合です。
これこそパワハラです。
つまり、加害者の都合で一方的に攻撃をするケースです。

では、なぜパワハラをするのか?
加害者の心理を押さえておきましょう。

加害者の心理とは?

・気が小さい
・自分に自信がない
・周りより劣っていると感じている
・指導の仕方がわからない
・話下手
・威圧感でしか人を動かせない
・発言力がない
・会社に居場所がない

病院には、企業以上にまだまだ年功序列が大半を占めています。
能力のある人が役職に就くというよりは、経験年数の多い人が役職に就く世界です。

中には、上司の器がない人まで紛れてしまいます。
楽観的で臨機応変な人なら、周りにフォローしてもらえば上手くやれるでしょう。
ところが、上記のようなタイプの人が役職に就くと悲劇です。

もともと指導する力を持ち合わせていないのにプライドだけは高い。
だから力づくで従えようとします。
その行為の延長線上にパワハラがあります。
こんな上司、被害に遭っている立場で理解なんてできませんよね。
でも、上司に心理的な問題が潜んでいるということは、皆さんも把握しておきましょう。

では具体的な事例をみてみましょう。

加害者が自分の立場を誤解している

身勝手で、傲慢なのに根は小心者な人がやりがちです。
「上司になった以上、部下に舐められたくない。」
例えは良くないけど、「動物の威嚇」といえばわかりやすいでしょうか。

そもそも実力と立場が不釣り合いで、自身のない上司ほど部下に舐められたら終わり。
と、思い込んでいたりします。
自分の立場を守りたい。
舐められて傷つきたくない。
だから理不尽でも部下を威嚇してしまう。
威嚇して自分の弱さをごまかす。
これがパワハラをする相手の心理です。

こうなると、真っ向勝負は危険です。
上手くかわして相手にしない。
「はい。はい。」と従順なふりをすることで、相手をヒートアップさせない。
これができればベストです。

加害者がパワハラを自覚していない

実際パワハラをしている人は、パワハラしてるって気づいていません。
だからパワハラは起きやすいし継続しやすいんです。

そもそも上司と部下である以上平等ではありません。
役職が違えば、自然と力関係の差は生まれるものです。
良識のある上司なら”自分の発言が部下にどんな影響を及ぼすのか”まで考えています。
指導をしたつもりでも、強い口調や表情次第では、部下はそれを暴言と受け取る可能性もあるからです。
部下の気持ちを考慮した発言のできる上司ならパワハラは起きません。

ところが、自分の発言の重みを理解せずに発言するとパワハラになりがちです。
つい強い口調になったり、きつい表現になったりします。
する側の感情だけを一方的にぶつければ、それはもうパワハラです。
逆に、相手への十分な配慮さえあればパワハラは防げます。

加害者が問題をかかえている

加害者自身が何かしらの問題をかかえているケースです。
周りに評価されていない。
孤立している。
何らかの問題を抱えている人がパワハラをする傾向があります。
不満。
ストレス。
イライラ。
部下をはけ口に利用しているだけです。

大抵パワハラは単独で行われます。
加害者と被害者が1:1。
しかも加害者は被害者を選んでいます。
自分より弱い人を狙います。
だから新人が多いんです。
立場の弱い相手を攻撃することで、自分の存在価値を見出そうとしていますからね。

ここまでのまとめ

上司の立場を利用した理不尽な攻撃はパワハラです。
しっかり職場で訴えましょう。
最近は、モラハラ、セクハラ、パワハラ、マタハラといったハラスメントに経営サイドも敏感です。
マスコミの反応や裁判を恐れていますからね。
・暴言、暴力のメモ
・ボイスレコーダー
・同僚の証言
具体的な証拠(日付、場所)を集めて、上司や病院の相談窓口に報告しましょう。
大抵の場合、パワハラをした上司に指導が入ったり、部署異動で配置転換が行われます。
まず、声を上げることが大切です。

ところが・・・
加害者だけの問題ではないケース。
つまり組織が汚染されている場合、最も深刻です。

危険なパワハラとは?

あなたでもなく、加害者でもなく、組織全体に原因がある場合です。
もはや、パワハラを超えたブラック病院です。
実はここに問題の本質があります。
パワハラそのものより、パワハラが生まれる環境に問題があるからです。

パワハラの加害者はあなたの上司です。
では、加害者の上司はどんな人ですか?
きちんと加害者を管理できていますか?
管理できていたら、あなたが苦しむことはないはずです。

相談窓口の機能

病院にはこういうトラブルのときのために「○○相談室」があります。
「そこにかけこめばいい!」って思いますよね。
ところが、すべての相談室が機能しているわけではありません。
病院によっては大義名分的な相談室もあります。
つまり、機能しているかどうかが重要です。
駆け込み寺が機能していない職場なんて、もはやいる価値すらありません。
辛いですが病院に期待せず、自ら抜け出す方向に進むべきです。

厚生労働省の見解

2012年(平成24年)に厚生労働省が実施した調査によると、パワハラの起きる職場には3つの特徴があります。

1.残業が多い/休みがとりにくい
2.上司と部下のコミュニケーションがない/少ない
3.失敗が許されない/許容度が低い
引用:厚生労働省調査報告より

職場環境の悪さがパワハラを生むという結果が出ています。
つまり加害者も実は劣悪な環境で働く被害者なんです。
環境がパワハラを生む。
こうなると自分でもなく、加害者でもなく、環境を変えることでしかパワハラは解決できません。

被害に遭ったら

いかがでしたか?
指導とパワハラの境界線って難しいですよね。

あなたの成長を考えての指摘であれば、それは指導に当たります。
ですが、言っている内容が理不尽で、態度が威圧的ならばそれはパワハラです。
迷わず職場で声をあげること。
これが大事です。

一方、声を上げられない人。
声を上げられない職場もあります。
これから10年、20年、耐え続けられますか?
そもそも耐え続ける必要はありますか?

あなたのこれからは、あなたの手の中にあります。
今の職場を抜け出して、もっと前向きに成長できる職場で働く選択肢だってあるんです。
勇気をもって進んでください。
あなたのこれからを応援しています。

追記:職場を抜け出したい人は、こちらもどうぞ。
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