メディカル調査員の北村です。
転職すれば、もっと楽になれるんじゃないか・・。
嫌な上司と会わなくて済むし、膨大な業務量に苦しまずに済むし、サービス残業で悩まずに済むし。こんな理想を持って転職しますよね。
ところが・・。
転職して後悔することもあるんです。
給料下がって辛かったり、残業が増えて辛かったり、パワハラに遭って辛かったり。
「転職って本当のところどうなの？」「良くなるの？」「悪くなるの？」
私は仕事柄、こんな質問を沢山もらいます。
結論から言うと、「メリット・デメリット両方ある！」です。
え、何がメリット？
デメリットは？
そこで今回は、転職した２０代～５０代の看護師７名に、「転職してどうだったか？」赤裸々に語ってもらいました。読めば、あなたにとってどんなメリットデメリットがあるかわかります！
２０代看護師の事例
２０代の看護師２名に転職の体験談を語ってもらいました。
転職の良いところ。
悪いところ。
そこで彼女たちが学んだ教訓です。
現場の生の声は、どれも今後の転職に役立つ内容ばかりです。
早速、ごらんください。
「体をとるか人をとるか・・」吉武さんの事例
年齢：２６歳
職場：急性期から療養型に転職
きっかけ（転職理由）
私の場合、肉体的な理由が大きかったです。
３交代制の夜勤で月１０回、１回の残業が２時間前後。
人手は足りないし急変が多くて・・・
そのうえ、日準の連続もあたりまえに入っていました。
寝不足で肌荒れは日常的だし、体重は増える一方で。
入職して１０キロ増（汗）
導眠剤に頼るようになってしまったので転職を決意しました。
転職してどうなった？
想像とはかけ離れていました。
しかも悪い方に・・
転職先は、急性期とは真逆の療養型。
余裕ができた分、ゆったりと患者さん対応ができる！と期待していました。
ところが、療養型がそうなのか、うちの病院がそうなのか・・
患者さんどころではありませんでした。
女性特有のドロドロとした空気で汚染されていました。
看護師の平均年齢が４０～５０代。
２０代はわたし一人。
話は合わないし集まれば愚痴だらけで。
「看護記録をきちんと書かない！」とか。
「あの人ばっかりシフトが・・」とか。
とにかく悪口だらけで。
時間に余裕があるとこうなっちゃうのかなって。
途中から聞くだけで耳鳴りがするようになりました。
良かったこと（メリット）
肉体的には楽になりました。
それだけです。
悪かったこと（デメリット）
ヘルパーや看護師との人間関係ですね。
あとは、病棟の方針が緩いところ。
必要のないモニタリングをコストの都合でやっています。
これから転職する人へのメッセージ
転職はあくまでも手段。
すべて解決するなんて期待しちゃいけなかった。
本当に許せないこと、案外許せること。
今の職場でじっくり考えてから決断した方が良いです。
私の場合、人間関係が悪くなるぐらいなら、まだ肉体的にハードだった方が良かった。
病棟でもう少し手技を磨いてから考えればよかったと後悔しています。
転職への過度な期待、過信は禁物です。
「若いとやり直しがきく」河合さんの事例
年齢：２８歳
職場：総合病院急性期→整形外科クリニック→総合病院慢性期へ
きっかけ（転職理由）
淡々とした流れ作業に嫌気がさしての転職でした。
新人で入職して１年半。
２交代制で月５回。
年間休日１０８日。
バタバタとこなすだけの毎日で、立ち止まって患者さんと話すことすらできませんでした。
あってもYESかNOかの確認程度。
転職してどうなった？
前の職場の方が良かった。
基本給は２万落ち。
月１０時間残業して、残業なしの前の職場とトントンでした。
休みも２割減ったかな。
1日１００名以上の患者さんをさばくことが主な業務でした。
ほかには、リハビリの装具の会社とのやりとりやリハビリ室との連携ばかりで。
正直、病棟の方がまだ関わる頻度は高かった。
そのうち、ここではエキスパートになれても、他では通用しないだろうな。という焦りも出てきて・・
いろいろ悩んだけど、再び総合病院へ転職を決意しました。
で、２回目の転職で慢性期へ。
当時２６歳でした。
転職していなければ４年目だったんですけどね。
入って１か月は新人と同じ扱いで、ちょっとだけ凹みました。
でも、急性期の経験があった分、その後は順調。
結果、新人よりは即戦力扱いしてもらえたかな。
今は、一番しっくりきています。
良かったこと（メリット）
納得できたことかな
誰でも１つの職場だけでは良いか悪いかの判断ができません。
わたしの場合、クリニック勤務を経験したことで「今は総合病院の方が合っている」と確認できました。
失敗しても何とかなったのは、若いし独身だからかもしれません。
背負っているものがない分気持ちは楽ですから。
その分切り替えが早かった。
悪かったこと（デメリット）
逃げの転職は後々後悔します（汗）
やみくもに転職回数が増えれば、転職のハードルが上がりますからね。
わたしの場合「３回まで！」と途中で決めました。
じゃないと癖になりそうでしたから（汗）
これから転職する人へのメッセージ
何も考えずに転職すると失敗します。
今の仕事が嫌だ！
向いてない！
合わない！
感覚だけでは解決しません。
私の場合、最後は辞めたい気持ちだけで転職しちゃいましたから。
まあ、当然失敗しますよね。
お金、時間、仕事の最低条件を決めて転職活動に挑んだ方がいいです。
まとめ
看護師にとっての２０代はまだまだこれからです。
望めばいくらでも選択肢があります。
新人で入職した職場がしっくりきているなら問題ありません。
でも、なんか違う・・
なんか辛い・・・
辞めたい・・・
どうしようもない・・
その原因がわかるなら、転職してみてもいい年代です。
沢山の経験と、いくつかの失敗・・・
それを繰り返してこそ、やっと自分が納得できる場所がわかるから。
追記：２０代で転職するなら転職サイトの利用が王道です。
→→求人の質の高さが評判の転職サイトベスト３
３０代看護師の事例
３０代の看護師２名に感想を聞いてきました。
今３０代の方も、これから３０代を迎える方も。
是非参考にしてみてください。
「長年の不満からやっと解放されました。」小林さんの事例
年齢：３８歳
職場：都内急性期病棟➡急性期病棟
きっかけ（転職理由）
上司からのいじめがきっかけでした。
カンファで無視られたり、ナースステーションで悪口言われたり。
で、極めつけがシフトから名前が消されたこと。
「あ、ないな。」
思わず声に出ましたよ。
もともと雰囲気の良くない職場でした。
なので３０歳を超えたころからいつかは転職をと思っていました。
小さな不満の積み重ねが爆発したっていう感じですね。
それ以外の条件は良い職場でした。
給料もそこそこあったし、休みもとれていました。
でも、年々広がる職場とのズレ。
いじめは辛かったけど、逆にふんぎれました。
転職してどうなった？
いろいろなものから解放されました。
これは転職したから言えることなのかもしれません。
「あーこんなに不満がたまってたんだな～」って。
上司のパワハラだけじゃない。
利益優先の病院だったこともわかりました。
全然、患者さんの声なんて重要視していなかったから。
「もっと看護師としてすべきことがあるんじゃないか。」
上司のいじめというよりは職場そのものに不信感をもったから、転職だったのかなって。
良かったこと（メリット）
比べられたことかな。
実際、職場を変わると全然違うんですよ。
上からの押しつけがなく、現場優先の雰囲気がすごくて。
その分、判断やプレッシャーを感じることはありますけどね。
でも、任されてるっていう信頼感が新鮮で。
みんなが同じ方向に向いていると、同じ看護師でもこれだけ違うんだって思います。
悪かったこと（デメリット）
うーん、今のところないです（笑）
強いて言えば、慣れるのにちょっとだけ抵抗がありました。
でも、それ以上に受け入れ体制のある職場だったので。
みなさんのチームワークに圧倒されっぱなしでした。
ですから、やりながら、話しながら、自然と慣れました。
これから転職する人へのメッセージ
そんなすごいことは言えませんが・・・（汗）
どんなに小さくてもいいから目的を持つことですね。
私みたいな普通の看護師でも良い方向に進めたので。
そのきっかけが転職でした。
日ごろから感じている違和感をごまかさず、疑問を持って動いてみる。
自分を信じて進んでほしいですね。
「プライベートと将来を見越しての転職」鈴木さんの事例
年齢：３４歳
職場：オペ室➡消化器内科に転職
きっかけ（転職理由）
勤めていた病院の師長から「３５歳を超えると転職は難しいよ！」と聞いていました。
なので、するなら３５前に！と決めていました。
あと、結婚が重なったのも大きかった。
転職してどうなった？
うーん、微妙。
でも、これから先を考えると正しい決断だったと。
それまでオペ室でバリバリだったので実績と自信がありました。
でも、消化器内科のスキルはほぼ一からで。
頼られる立場から頼る立場に１８０度変わるって、結構きつかった。
これが５年、いや１０年前だったらベストだったかな～って。
３０代超えるとスキルと知識が身につく代わりにプライドまでくっついてくる。
これが結構邪魔するんですよ～。
自分より年下の看護師から指示されるだけで・・結構凹みます。
良かったこと（メリット）
緊張感から解放されたところかな。
オペ室はスピード勝負だったので。
常に動き回っている感じで・・息つく暇もなかった。
でも今は、慢性期病棟なので夜勤はあるけど落ち着いています。
科を変わるってちょっと勇気はいるけど、将来を見越して早めに決断することも大事ですね。
新婚なので時間に追われる業務はちょっと・・・（笑）
悪かったこと（デメリット）
タイミングが遅かった。
もっと若いうちが良かった。
覚えるのも、慣れるのも、年下からイロイロ言われるのも。
ストレスに感じた。
これから転職する人へのメッセージ
３５歳過ぎると転職できない！はウソです。
できます。
でも、タイミング的には遅いかな。
２５歳前後、つまり看護師３年目で１度考えてみた方が良いですよ。
そこそこ経験はあるし、再び学ぼう！って思える年齢が２５歳かなと思います。
まとめ
看護師にとっての３０代は脂ののった時期です。
２０代では味わえなかった達成感や手ごたえを、ちょっとずつ味わえる時です。
その分、プレッシャーを感じる微妙な年代でもあります。
３０代までの１０数年。
経験、スキル、実績、評価、信頼。
ちょっとずつ手に入れてきましたよね。
もはや今のあなたは最強です。
また、３０代はプライベートでも変化の多い時期です。
ほとんどの女性が結婚、出産、育児を経験します。
その一方で、キャリアアップを目指す人も沢山います。
いろいろいな意味で分岐点の多い時期が30代です。
なので、転職するなら今です。
４０代、５０代になるともう遅い。
求人数はガタッと落ちるし、求人枠も狭まります。
ニーズがあるとすれば、それなりのスキルやポジションが求められます。
これからどこで、どんな風に働きたいか。
選べるのは３０代の今です。
追記：上記２名の看護師が利用したサイトを教えてもらったので載せておきます。
→→３０代向けの求人が多くて対応が良かったサイト
４０代看護師の事例
４０代は１名からしかヒアリングできませんでした。
※引き続き他の４０代にもヒアリングする予定です。しばらくお待ちください。
どのような事情で、どんな場所を選んだのか。
じっくりご覧ください。
「ブランク明けで復職しました」米山さんの事例
年齢：４５歳
職場：ブランク１５年➡整形外科クリニックに転職
きっかけ（転職理由）
子供の高校進学がきっかけでした。
でも、転職活動はかなり苦戦しました。
ブランクは長いし、年齢も４０超えていたので・・
なかなか採用に至らなくて。
やっと採用してもらえたのが今のクリニックでした。
１５年前の知識だけじゃ、正直古いだろうなと不安がありました。
転職してどうだった？
想像通りでした（汗）
新人です。しかも年取った新人です。
自分の娘と同じぐらいの子に教えてもらう毎日。
おばちゃんが娘に敬語で話す姿を想像してみてください。
ちょっと情けない気持ちでした。
でも、覚悟はしていたので・・必死に新しい知識を覚えました。
良かったこと（メリット）
選ぶほど求人はなかったけど、看護師だから復職できたと思っています。
これが一般企業ならこうはいかなかったかなって。
勘を取り戻せば意外とスムーズにこなせるようになりました。
悪かったこと（デメリット）
給料が２０代並み、いやそれ以下だったことです。
クリニックっていうのもあったのかな。
手取り１６万ぐらい。
新人で２０万ぐらいだったので、ガクンときました。
新人でそのまま働いていたら今頃３０万はあったのかなって。
やはりブランクは大きかったです。
でも仕方ないです。
これから転職する人へのメッセージ
４０代の転職はやっぱり厳しいです。
それなりの経験とスキルが期待されているような気がします。
わたしのようなブランクのある看護師は、それなりの求人しかないと思ってください。
それでも、２０代～３０代の病棟経験があったので、今はそのときの知識が役に立っています。
夜勤も少しですが、意外と楽にこなせていますよ。
５０代～看護師の事例
５０代以上のベテラン看護師２名にも聞くことができました。
長く働いたからこそ感じること。
求人や働く場所の現実をごらんください。
「年齢に応じて働く場所を選んだほうがいい」時田さんの事例
年齢：５５歳
職場：慢性期病棟➡特養に転職
きっかけ（転職理由）
若い看護師にお荷物扱いされてしまって。
最近、夜勤の回数が減ったな・・って。
あ、減らされたのかって途中で気がつきました。
体位交換や、急変対応。
５０にもなると体にくるし、判断力や瞬発力が鈍ってしまって。
でも、気持ちは２０代のころとあまりかわっていません。
もどかしいですよ。
若い子はみんなわたしと組みたがらなかったみたいです。
師長からもはっきりと言われました。
転職してどうなった？
楽になりました。
施設は同年代のヘルパーや看護師が多いですね。
お互いにフォローし合えるのが新鮮です。
良かったこと（メリット）
特養なので夜勤がなくなったことですね。
睡眠や生活リズムが安定した分、楽になりました。
急変や緊張感からも解放されました。
悪かったこと（デメリット）
介護メインなので、移乗が多くて。
腰痛がひどくなりました。
でも、看護師はわたしを入れて2人しかいないので、腰をかばいながら何とかやっています。
恥ずかしながら、更年期も重なって・・
病棟に戻ることはもうないですね。
このままパートに変わろうか迷っています。
これから転職する人へのメッセージ
５０代を過ぎると、働く場所と年齢層はしっかり選んだ方が良いです。
２０代のように頻繁に夜勤するだけの体力はないですし、若い世代と比べたり比べられたりが結構きついです。
実際、第一線から下がった場所で働いている看護師がほとんどです。
同じ世代の仲間と働く方が居心地がよいですし、世代間ギャップに苦しまずに済みますからね。
「定年後の働き方」森本さんの事例
年齢：５９歳
職場：療養型病院➡老人ホームに転職
きっかけ（転職理由）
インシデントが増えたのがきっかけでした。
５０過ぎると体は思うように動かなくなるし、判断も鈍ります。
自分ではいくら気を付けてもダメでした。
転職してどうなった？
今は、老人ホームで”おくりびと”的な役割を担っています。
利用者さんだけでなく、そのご家族も支えているつもりです。
在宅医療の一部ですので、生活のお手伝いがほとんどです。
看護というよりは介護に近いですね。
良かったこと（メリット）
じっくりと時間を割いて利用者さんと関われるところです。
常に時間に追われる病棟勤務には戻れませんね。
前のように体も自由に動かなくなってしまったので・・・
年を取るって嫌ですね。
悪かったこと（デメリット）
とくにありません。
看護師を続けていられるだけで満足しています。
あともう少しで定年です。
どれぐらいお役に立てるかわかりませんが、できる仕事があるうちが花だと思ってやっています。
これから転職する人へのメッセージ
５０代、６０代になっても現役で働くって若い時の何倍ものパワーを使います。
実際、４０を過ぎると求人は右肩下がり。
５０代は更に少なくなり、６０代以上になるとパートやアルバイトがほとんどです。
看護師でいたいなら、今の職場で続けられるだけ続けてから転職するのが賢明です。
まとめ
これまでの体験を聞いてどのように思いましたか？
転職ですべて解決することはありません。
良い面と悪い面。
表裏一体です。
今の職場のメリット・デメリット。
転職先のメリットとデメリット。
それぞれ天秤にかけてから決断しましょう。
あなたは転職しますか？しませんか？
「転職しない。」
しないと決めたなら、これまで通りもう少しだけ頑張ってみましょう。
ただし、年齢とともに転職が不利になることも念頭に置いておいてください。
「転職する。」
転職を成功させるなら”転職方法”がカギとなります。
しっかり手段を選ぶこと。
でないと転職失敗して後悔します。
引き続き、失敗を防ぐ手段についてどうぞ！
後悔しないための転職方法
→→抜群の実績があって看護師からの評判の高い転職サイト
