看護師の皆さん、こんにちは!
”離職率”が高いのはなぜだと思いますか?
仕事がハードだから?
残業が多いから?
人間関係のトラブル?
待遇が良いと言われる看護師が一体なぜ辞めていくのか?
ここでは現状とその理由を暴きます。
転職を考えている方は是非ご覧ください。
看護師の離職率は?
以下は、過去5年間における看護師の離職率の推移をグラフで表したものです。
新人と、それ以外で分けて表示しています。
引用:2016年調査日本看護協会より
常勤看護師の離職率:10.9%
新人離職率:7.8%
約10人に1人が辞めています。
現在、看護師全体で140万人働いているため、離職率を適用すると以下の計算式になります。
140万人×10%=14万人
つまり年間14万人が離職しています。
多いですね。
しかも、これは今回に限った結果ではありません。
過去4~5年の推移を見ても変化はなし。
改善できていないことがわかります。
更に、新人も離職率が高いですね。
条件の良いといわれる仕事にしては、1年以内に辞めるのは正直疑問が残りますよね。
他の職種と比べて、給料は高めですし、福利厚生も良く、永久的に資格を使えます。
しかも、看護師は「なるまで」が大変な職種です。
実際、学生時代は研修やレポート提出に追われる日々を送っており、資格を取るのに必死だったはずなんです。
大変な苦労を乗り越えた人だけが、看護師になれたのに・・。
ところが、実際に働き始めると、これまで抱いていた理想とのギャップに苦しむようです。
「こんなはずじゃなかった。」と・・。
理想にしがみつきながら、苦労を乗り越たからこそ、入職後の現実をつきつけられてしまうのでしょう。
新人なのに辞めてしまう大きな理由なんですね。
具体的に感じるギャップをまとめてみました。
2.想像より残業が多い
3.求められるスキルが高い
4.その割に教育体制が十分でない
5.そのためプレッシャーを感じる
6.それがストレスになる
1~6を歩み続けた結果、心身共に消耗してしまい、なかには「向いてないんじゃないか・・。」と思いつめる新人が出てきてしまう。
悩んだ挙句に、辞めてしまう。
もったいないし、悔しいですよね。
本当は、もっと吟味して選ぶべきなんです。
でも、新人は卒業するとそのまま入職するケースが多いですよね。
だから入職後に後悔する人が多いんです。
新人に限らず、入職先の病院の条件はしっかりと調べておきたいところです。
新人は入職=目標だからね。調べてギャップをつぶすことが大切なのね。
都道府県別の離職率は?
看護師の離職率で特徴的なのが都道府県別のデータです。
2017年度(2016年調査)日本看護協会の調査結果をもとにひも解いていきます。
引用:日本看護協会より
東京、神奈川、大阪、約14%
富山、福井、徳島、約7%
都市部は地方に比べて2倍近く離職率が高くなっていますね。
これは単純に、都会は転職者数が多いことが挙げられます。
都市部は転職しやすい環境が整っていますからね。
病院数、求人数ともに桁違いの多さです。
都市部専用の転職サイトもあるぐらい圧倒的に多いですね。
選択肢が沢山あれば、今の病院にしがみつく必要がない。
つまり求人数の少ない田舎と比べて、都会で働く看護師にとって転職や離職のハードルは低いんです。
実際、辞めてもすぐに次が見つかる。
これも都市部の特徴です。
この選択肢の多さこそが、離職率の高さの一因です。
「転職すると元の職場より条件が下がるんじゃないか?」
このようなマイナスイメージ、ありますよね。
でも、都市部の転職は違います。
確かに、辛い、きついといったマイナスな理由で辞める看護師はいます。
その反面、さらに条件のよい職場を求めて積極的に転職する看護師も沢山いるんです。
給料UP!
待遇UP!
キャリアアップ!
何を求めて転職するかは人それぞれです。
一方、地方はそう簡単にはいきません。
”転職するから給料は低くて仕方ない。”
”待遇悪くてなっても仕方ない。”
”とりあえず次があればそれでいい。”
求人数の少ない地方だとこうなります。
実際、就職先の数は少なく求人も限られていますからね。
地元で名の知れた病院に入ろうものなら、それ以上の病院はありません。
田舎はネットワークが狭いため、辞めたらほかの病院にも余裕で伝わる場所です。
それゆえに、地元で就職する看護師は、「辞めたら次はない!」と覚悟してみんな働いています。
上京せずに地元で就職する人は、地元への愛着があります。
地元を出るぐらいなら、しがみついてでも働きたい。
地方の離職率の低さは、地元を愛する看護師の忍耐力である。
と言えるでしょう。
都市部は転職する看護師が多い。これが離職率の高い一因なのね。
病院規模別の離職率は?
病院の規模別に見てみると小規模な病院ほど離職率が高い結果が出ました。
小規模 VS 大規模
小規模の方が離職率1.5倍!
続いて、設置主体別(病院別)の内訳を見てみましょう。
日本赤十字社8%
国立大学病院10%
社会福祉法人10%
個人病院17%
やはり、個人病院は離職率が高いですね。
一体なぜでしょうか?
小規模な病院は、院長が絶対だからです。
個人病院は経営者である院長や夫人が病院のかじとりをしています。
そのため彼らの考えがすべてです。
仮に、院長が間違った判断をすれば、たちまちクリニック全体に影響が出るわけです。
「サービス残業をしろ!」といえば、それに従うしかない。
「一人辞めなさい!」といえば、抜けた穴埋めで大変な思いをさせられる。
「人件費をカットしなさい!」といえば、ボーナスや手当が突然カットされる。
大規模なら簡単にできないことでも、クリニックなら院長の鶴の一声で通ってしまいます。
また、総合病院と比較するとクリニックは看護師の数が少なめです。
少数精鋭のため一人の看護師に対する依存度が高くなりがちです。
できる看護師と、できない看護師の差が出やすい場所でもあります。
出来ない看護師にイラっとしたり・・
シフトの都合でもめたり・・
直接もめる機会が多いので、その分不満もたまりやすくなります。
ちょっとした不満の蓄積が、人間関係のトラブルに発展してしまう。
小規模だからこそ起きてしまう「クリニックあるある」です。
このように、小規模な病院ほど経営者の人柄やスキルが強く出てしまいます。
そのうえ、看護師同士の人間関係が濃くなりがちです。
「合うか合わないか」が非常に大きい場所ですね。
小規模な病院ほど相性が大事!合えば最高なんですけどね。逆なら最悪かも!納得です。
夜勤も原因の1つ?
確かに夜勤は、離職率を上げる一因です。
日勤と違って、長いし、眠いし、不安ですからね。
入職してから半年後、夜勤に入り始めた新人はみんな感じるはずです。
不規則なリズムや、押しつぶされそうな重圧に、なかなか慣れませんからね。
なかには、途中で脱落する人も・・。
先の見えない辛さが辞めることを選ばせてしまう。
それが離職率の高さにつながっています。
では、なぜ夜勤は過酷なんでしょうか?
もう少し具体的な原因を見てみましょう。
まず、受け持つ患者数が日勤の倍以上ありますよね。
日勤は7:1(一人の看護師が受け持つ患者数が7人)であるのに対して、夜勤は15人以上を一人で看る。
とくに重症度の高い患者ばかりを受け持つと、いつ急変が起きるかわからない不安とプレッシャーが凄い!
それに、夜勤の拘束時間が長すぎます。
本来なら月72時間まで。
なのに現状は守られていません。
実際、72時間を超えて働いている看護師が3割以上もいます。
以下のグラフをご覧ください。
夜勤の長さと離職率の高さは比例しています。
つまり72時間超の割合が上がると、離職率も高いですよね。
この事実は見逃せません。
せめて待遇が良ければちょっとは納得できますが(汗)
現状は、その待遇も十分ではありません。
ここ5年間の推移をみても、夜勤時間は増えているのに、手当はほぼ横ばい。
「大変なわりに報われない。」
これが過酷な夜勤で看護師が直面する大きな壁となっています。
病院に改善を求めても、短期間で大きな改革は期待できません。
変化や改革を期待しては裏切られ・・・
もう待ちくたびれているはずです。
それなら自分が辞める方が早い!
辞めてもっと夜勤の少ない楽な病院で働きたい!
自然の摂理と同じぐらい、当然の行動です。
「少なくとも72時間は厳守して欲しい。」
これが看護師の正直な気持ちです。
夜勤が多いと離職率が高くなるのは納得。もっと楽に働ける場所があれば離職するかも。
看護師不足の影響は?
離職率が高さは、看護師不足と関連しています。
実際、病院で働く看護師はどう感じているのでしょうか?
そこで、「看護師は足りていますか?」と聞いたところ以下の結果が出ました。
8割が「看護師が足りない!」と感じています。
逆に「足りている。」はたったの1~2割!!!
少ないですよね・・(涙)
この看護師不足の蔓延こそが、離職率が安定して高い要因になっています。
数が足りないなら質で勝負。
つまりマンパワーに頼るしかないからです。
離職すればするほど。
看護師が不足すればするほど。
どんどん一人の看護師にかかる負担が増えますよね。
こうして新しい離職者を生む。
ホント悪循環ですね。
一刻も早く何とかして欲しいところです。
離職率の高さと看護師不足は切っても切れない関係なのね。根本的に改善しなくちゃね!
まとめ
いかがでしたか?
「離職率が高い、高い!」と言い続けていますが、なぜ高いのか?
そこに目を向けることが重要です。
・地方の離職率
・小規模病院の運営力
・夜勤の過酷さ
・看護師不足の蔓延
これらにメスを入れなければ、離職率が減ることはまずありません。
むやみに離職率を上げないためには、入職後に後悔しないために事前にしっかり調べること。
これが、自分でできる一番現実的な打開策なのかもしれません。
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