退職をお考えの看護師のみなさん、こんにちは。
ところでみなさん、円満退職したいですよね?
・しつこい引き止めにあう。
・退職を告げたとたん、いじめられる。
・退職できずに、働き続ける。
こんなの、絶対イヤ!ですよね。
そこで今回は、「もめずに退職する方法」をベテランU子(看護歴18年)がお伝えします。これを見て円満退職しちゃいましょう!
退職までの7ステップ(退職の流れ)
ここでは、退職までの流れを細かく7つに分けました。
1つずつ流れにそって進めば、自然とゴール(退職)にたどり着けます。
もめそうな落とし穴に気をつけて、確実にゴールしちゃいましょう!
ステップ1:退職時期を決める
ステップ2:退職理由を決める
ステップ3:意思表示する
ステップ4:退職日決定・引継ぎを計画する
ステップ5:退職願提出
ステップ6:引継ぎ
ステップ7:備品整理返却
番外編:挨拶、プレゼントの準備
では、ステップ1からスタートです!
STEP1:退職時期を決める(退職3~2カ月前)
「今、わたしが抜けて大丈夫かな?」必ず周りの状況をみて、退職時期を決めましょう。
状況を見た結果、当分忙しいなら、
1.もっと前から退職を計画する
2.もう少し延期する
どちらかで対応すべきです。
時間の余裕さえあれば、代わりの人も確保できるし、引継ぎだってできます。
理想は、2~3カ月後です。
2カ月は、引継ぎと、後任者の採用にかかる時間です。
もっと早くこの2つができるなら、その分期間は短くてもOKです。
ちなみに法律では、「退職日の14日前までに退職の意思を伝える」と決められています。
でも、大抵の病院は14日じゃ足りないと考えています。
「退職の〇〇日以上前に申し出ること!」といった感じで、それぞれ就業規則を設けています。
以下が具体的にステップ1をまとめたものです。
①あなたの病院の就業規則をチェック!
退職の時期は、規定の日数+αで考える。
理想は、2~3か月後に設定する。
就業規則の(例)
「最低でも1カ月前」、「退職日の2カ月以上前」
「退職の予定者は毎年夏の面談時に申し出ること」と病院によってイロイロです。
②病院の現状をチェック!
1.シフトに余裕があるか?(なければちょっと待つ)
2.新年度を除外(新人教育で忙しいので避ける)
3.年末年始を除外(何かと忙しいので避ける)
4.産休育休者がいないか(いると厳しいので避ける)
5.すでに退職予定の人がいる(時期をちょっとずらす)
とくに人手不足や、退職者が他にもいる場合は要注意です。
「後任を探すから〇月まで待って!」とかなりの確率で言われちゃいます。
先回りして病院に余裕がある時期を探すしましょう。
相手に余裕を作ってあげれば、トラブることはまずありません。
↓以下は、自分の都合で退職時期を決めて「もめた事例」です。
Aさん:他の看護師と退職時期が丸かぶりした
「あなたも辞めるの?それは困る!と切れ気味で言われ、退職自体考え直すことに・・」
Bさん:新人が多いときに退職を申し出た
「『もう少し育ってからじゃないと困る』と言われ延長。内定が決まっていたのに辞退するしかなかった。」
Cさん:年末年始に退職を申し出た
「みんなのシフトが大幅に狂い大ブーイング・・ひっそりと逃げるように退職しました。以来音信不通。」
自分の「辞めたい」を優先して、ルールや雰囲気を無視した行動は、単に相手の反感を買うだけです。
かといって、相手の都合ばかり聞くのも問題です。
退職時期が延長になったり、転職の時期をずらすことになりかねませんからね。
でも、確実に退職したければ、ある程度相手の希望も聞くべきです。
退職できなければ転職できませんから・・(汗)
続いて、本当は退職されると1番困る、師長の意見もどうぞ。
「辞めた後のリカバリーが大変!」
わたしのような看護師長は、一人退職するとそのあとが大変なんです。
もともと忙しいところに引継ぎの残りや調整作業まで加わります。
例えば、シフトの調整、スケジュールの見直し、雑務処理、これらが1度にふってきます。
退職はしかたないと思います。
でも、「こちらの負担を少し考えて欲しい。」
これがホンネかな。
退職するまでの数日間、お互い気持ちよく過ごしたいです。
引継ぎやマニュアルの整理など、協力的に接してもらえると嬉しいかな。
とにかく、ぶつかりあわずに、お互いの立場を尊重し合うことが大切かなって思います。
お互いに一歩、二歩・・
歩み寄る姿勢が大切というお話でした!
では、ステップ2です!
STEP2:退職理由を決める(退職2カ月前)
退職理由は、退職する病院が納得しやすいものにしましょう。
つまり、個人的で、前向きで、退職するしか選択肢がない理由です。
逆に、病院への不満が原因で、辞めなくて解決できそうな理由はダメ!
「改善策を見せて説得すれば、辞めずにすむかも!」と引き止められるからです。
退職理由を何にするかによって、もめるかもめないか?決まります。
もめたくなければ、相手が納得しやすい理由を選びましょう。
以下が、オススメの退職理由です。
※退職理由は、転職先でも聞かれる場合があるのでマイナスなものは避けましょう。
1位:この病院にはない診療科/設備のある病院で経験を積みたい
例)「○○科の○○に興味が出てきたのでそれに関われる仕事がしたい。」
つまり、スキルやキャリアを絡めた前向きな理由です。
経験したことがない診療科、転職先の病院にしかない設備があればこの理由がベストです。
※転職の面接でも話しやすいですね。
2位:家庭の事情
例文:「両親の介護をすることになりました。」
身内や家族の理由はもっとも効果的です。
自分はまだ働きたくても働けない状況になってしまった!とアピールしましょう。
ウソはいけませんが、多少オーバーにするのはアリです。
3位:通勤できない遠方に引っ越すことになった
例)「知人の近くに引っ越さなければならず、とても通勤できる距離ではなくなりました。」
これも知人や身内をからめておくと、引っ越ししたことを正当化できます。
通えなければ納得するしかありません。
4位:結婚、出産により退職
例)「このたび結婚することになり、相手から退職への強い要望があります。」
寿退社は今でも理由としては健在です。
ポイントは、自分ではなく夫側からの強い要望があると伝えましょう。
5位:家族の意思
例)「父親が心配しており、辞めなさい。と言われています。」
家族(お父さん)に悪役になってもらいます。
病院は、あなた自身を説得できても、家族や身内までは手が届きません。
ただし、あまりよい理由ではないので、奥の手で使いましょう。
逆に、NGな退職理由も載せておきますね。
1位:体調を崩した
例)「体調を崩したので退職したい。」
一見もっともな理由ですが、「しばらく休んだら?」と必ず引き止められます。
2位:残業が多い
例)「残業が多すぎて辛いので退職したい。」
これも同様に、「じゃあ残業しなくてもOKよ。」と引き止められます。
3位:給料が安い
例)「給料が低いので退職したい。」
完全に職場に対する不満ですね(汗)
しかも、「じゃあ、あなただけUPする!」と引き止められます。
退職しなくとも、その後負い目に感じることが多いです。
病院への不満を理由にするのはダメ!
病院から「参考にしたいから何が不満?」と聞かれても言っちゃダメ!
引き止める材料にされるだけです。
「これを改善するから思いとどまってくれ!」と説得されちゃいますよ!
病院が納得するそれっぽい理由をこちらが提示してあげる。
そうすれば、もめずにすんなり受け入れてもらえます。
続いて、ステップ3!
STEP3:意思表示する(退職2カ月前)
退職の意思は報告ではなく、必ず相談ベースで伝えましょう。
あなた自身は、「退職しよう!」と決めています。
でも相手には、「退職する方向で考えている。」と、多少の余裕があることを示しておきましょう。
更に、相談相手も重要です。
いきなり師長部長クラスはキケンです。
病院の利益を優先して、すぐには聞き入れない可能性が高いからです。
まず、あなたのことを知っていて、信頼できる先輩に相談しましょう。
相談するときは、自分の都合ばかりを押しつけず、相手の言葉に耳を傾けること。
納得してもらうためなら、先輩の意見を参考にしましょう。
一人の先輩から二人の先輩へ。
ちょっとずつ周りに浸透すればOK。
そうすれば、本来報告すべき師長に伝えるころには、周りはあなたを理解してくれています。
反対する人がいなければ師長も納得するしかない。
”周りからじわじわ落とす”(ただし、信頼できる人中心にね!)
これが鉄則です。
ただし!
信頼できる同僚や上司がいない場合は例外です。
本来報告すべき師長に伝えましょう。
相談ではなく報告でOKです。
そのかわり、身内の介護や、結婚、引っ越しなど、強力な理由を準備しておきましょう。
1.退職の意思をしっかり固める(ブレない!)
2.報告ではなく相談ベースで退職したいと伝える
3.一番信頼できる近めの先輩に相談する
4.その先輩も含めた周囲に相談する
5.周囲になんとなく受け入れてもらう
6.最後に、師長、部長、事務次長に報告する
次はステップ4
いってみよー!
STEP4:退職日決定・引継ぎ計画する(退職2カ月前)
退職日も、必ず上司と相談ベースで決めましょう。
引継ぎとの兼ね合いもあるため、1カ月以上の余裕があるとgood!
最初にスケジュールを示せば、自分だけでなく病院も安心します。
「引き継ぐ気がある。」と理解してもらえます。
なので、退職日も自然と決まりますよ。
退職日でもめたくなければ、看護師長に相談して計画しましょう。
・使っている書類やファイルの場所
・自分だけが所属している委員会
・個別業務の進捗状況
・患者さん情報(状態だけでなく、性格や接し方のアドバイス)
・自分の連絡先(可能な範囲で)
本来なら、すべて引継ぐのがベストです。
でも、現実はそうはいかない。
みんな忙しいですからね。
自分だけしか知らない業務から優先的に引継ぎましょう。
さもないとお互い退職後が大変です。
残されたメンバーは退職したはずのあなたに問い合わせなければなりません。
当然あなたは、その問い合わせに対応しなければなりません。
ですから、簡単な引継ぎノートを作成して皆の前で手渡しておきましょう。
「引き継いだ証明」にもなりますからね。
Next!ステップ5いよいよ退職願の提出です!
STEP5:退職願を提出する(退職1カ月半前)
退職願は、病院側の最終承諾者が承諾するまでじっくり見届けましょう。
実は、最終承諾者がサインするまでは撤回可能なんです。
撤回されたくなければ、承諾を見守りつつ、積極的に引継ぎをする姿勢を見せておきましょう。
一般的に退職願は病院専用のフォームがあります。
専用の書類に日付、記名、理由(通常は「一身上の都合」でOK)、印鑑を押せば完成です。
専用の書類がない場合は、以下を参考に作成しましょう。
最近はパソコンで作成するようになりましたが、手書きの方が好印象です。
①タイトルは「退職願」と中央に書く
②2行目の下に「私儀」または「私事」と書く
③退職理由は「一身上の都合」でOK
※細かく書く必要なし。
退職日:話し合いで決まった日付
※決まっていない場合、最低1か月先の日付
④提出日
⑤所属部署名、名前
※シャチハタNG。印鑑を押印
⑥宛先:病院の最高責任者
提出先:上司(看護師長)
用紙:白い無地の便箋、黒ボールペン、縦書き、手書き
退職願を入れる封筒は以下を参考にしてください。
・誤字脱字×
・白い無地の長封筒
・封筒の表中央に「退職願」と書く
・裏に「部署名、氏名」を書く
退職を認めてもらえたら、ゴールが近い証拠です。
引継ぎも「もめポイント」を避けてやっちゃいましょう!
STEP6:引継ぎをする(退職1カ月半前~)
STEP4で作成した引継ぎ計画をベースに、職場の状況を見ながら着々と引き継ぎましょう。
とくに忙しいと、引継ぎ時間が確保できずに短縮するケースもあります。
あとで同僚が見返せるように、やはり引継ぎノート残しておきましょう。
ノートさえあれば、あなたに問い合わせを入れることなく解決できます。
つまり、引継ぎノートは、あなたに直接問い合わせないための保険の役割もしますよ。
(U子はノートの最後に、お礼のメッセージを書いときました。^^)
STEP7:備品整理・返却する(1週間前から当日)
残った人が片付けずにすむように、キッチリ整理返却しておきましょう。
とくに機密資料は必ず返しましょう。
誤って持ち出してしまうと大変です。
個人情報の漏洩のキケンもあるため、病院の信用問題にかかわります。
(みんな知ってるけど、意外と盲点なんですよ^^)
寮の清掃は早くても良いですが、整理片付けは早過ぎると失礼です。
整理や片づけは、早くても最終日前日、ベストは最終日です。
※職場の整理が早過ぎると「感じわるっ」て思われちゃいます。
(U子はコレをやっちまいました(涙))
続いて、以下が返却物リストです。
1.健康保険証
2.職員証、バッジ、名刺
3.通勤定期、寮の鍵
4.事務用品、経費で購入した物品、ユニフォーム
5.病院の鍵、資料など機密にかかわるもの
逆に、病院からもらう物リストです。
1.雇用保険被保険者証
2.年金手帳
3.源泉徴収票
4.離職票
※郵送の場合はいつ届くか確認しておきましょう。
受け取るものの中には、転職先に提出するものもあります。
なくさず保管しておきましょう。
番外編:挨拶する(退職当日)
とにかく、退職させてくれたことを感謝しましょう。
とくに無理をしてもらった人には、個別にお礼を言っておくと良いですよ。
だって去り際がよければ、この先どこかで出会ってもお互い嫌な思いをせずにすむしね!
だから、ちょっと面倒でもやっておいて損はないですよ。
(U子は口下手なのでマカロンを配りました^^そのおかげか、今でも連絡とりあってます。)
・「一人一人の目をしっかり見つめてから、『ありがとうございました!』と長めの一礼。すると拍手が・・(涙)」
・「師長、先輩、同僚でとくにお世話になった人を「名前」で呼んだあとに、
『みなさん、お世話になりました。』と言ったら師長が泣いてて驚きました(笑))」
・「一番大変だったときのエピソードをみんなで乗り越えた話を1つしました。共感してもらえてうれしかった!」
何を言うかよりも、相手の目を見て伝えることが大切です。
照れくさかったり、嫌な思い出しかないかもしれませんが、最後の挨拶は精一杯気持ちをこめておきましょう。
挨拶だけじゃ物足りない方は以下もどうぞ↓
・ハンドタオル/ハンカチ(何枚あっても嬉しい!)
・紅茶(ルピシア、ウェッジウッドなど)(あると嬉しい!)
・可愛いボールペン(仕事で使える!)
・焼き菓子(普通に食べたい!)
※すべて1,000円以内でおさまりますよ^^
以上で退職完了です。
お疲れさまでした!
これから退職を考えているあなたへ
これまで7つのステップで「もめないテクニック」を語ってきました。
普通の職場なら、7つを順に進めばクリアできます。
でもなかには、一筋縄じゃいかない職場があります。
以下は退職でもめる職場の特徴です。
あなたの職場が1つでも該当するなら、単独での退職交渉はキケンです!
・もともと人間関係のトラブルがある
・信頼できる先輩が少ない
・常勤が少ない
・慢性的に人手不足
・求人かけても応募が来ない
・上司のモラハラ、パワハラがすごい
・過去に同僚が引き止められていた
・なんでもあいまいにする(退職願が承諾されない)
・労働規則や環境が悪い
・その他:自分だけじゃ不安・・
こういうケースは、常套手段を講じましょう。
そう、”転職サイトの出番です。”
通常は求人紹介で利用することが多いですが、実は退職交渉もしてもらえます。
(U子も過去にバッチリやってもらいました!)
退職する前に「ちょっともめそうだな~・・」と感じているなら1度頼ってみてください!
トラブル回避してもらえますよ。
GOODLUCK!
追記:退職交渉ならこちらが信頼できます!↓↓↓
→→→しっかり退職サポートしてくれる転職サイト
以下は「退職金」が気になる方向けに、最新情報を載せておきます。^^(by U子)
退職金の目安
まず、あなたの病院の「就業規則」をチェックしましょう。
従業員10名以上の病院なら就業規則を作成しています。
その中に「退職金」に関する規定があります。
1度、自宅で保管している書類を確認してみてください。
(なければ病院に、こっそり問い合わせてみるとよいでしょう。)
就業規則に退職金の規定がなければ、病院には退職金を支払う義務がありません。
その場合、退職金はない!と理解しておきましょう。
※一般的にもらえるか否は、在籍期間が3年以上が主流です。
最後に・・・
退職するまでには意外とやることが多かったですね。
でも、時間の余裕をもって、職場に協力的なそぶりを見せれば、意外と簡単にクリアできます。
ところが・・・
人手不足が深刻すぎる病院
上司との人間関係が破たんしている病院
このように、すでに退職が難しそうな環境で働いている人もいます。
少しでもトラブりそうなら、やっぱり一人でやならいこと!
転職のプロの力を借りてみてはいかがでしょうか。
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