看護師の皆さん、こんにちは。
PNS看護方式が開発されて8年。
全国の病院でPNSの導入は進んでいます。
その一方で、PNSに悩む看護師も増え続けています。
「人間関係が最悪。」
「パートナー決めが辛い。」
「仕事量が増えた。」
PNSの現場で何が起きているのでしょうか?
これを読めば、PNSの実態がわかります。
PNSで失敗する3つのこと
PNSは一人で責任を負う自己完結型の方式ではなく、二人で責任を分かち合う方式です。
分かち合うことで、一人にかかるストレスを減らし、離職率を下げるのが目的でした。
ところが、事態は悪化しています。
具体的に、PNSには3つの問題が生じています。
1.パートナー決めでもめる
本来PNSは、お互いを尊重し、助け合い、協力して、ともに成長するシステムです。
でもそれは理想。
現実は悲惨です。
「誰と組むか?」
出だしのパートナー決めからつまずきます。
酷いと、「あの子は絶対いや。」とか。
「あの子と組む約束をしておこう。」など。
まるで修学旅行の班決め並みのトラブルが勃発しています。
実際に、パートナー決めでトラブった看護師の話をごらんください。
- 口裏合わせが横行中
-
T.Yさん
所属:消化器科
導入して5年。
年間パートナー選びが苦痛です。
2、3年経った頃。
要領の良い子たちが、口裏合わせをし始めました。
誰からも選ばれない状況を避けたからです。
PNSの研修では、残った人が惨めな思いをしないように、司会の主任が上手に促すようにとアドバイスされていました。
でも、選ばれない人0なんて絶対無理ですよ。
実際、何度も孤立している同僚を見てきました。
わたしもその一人です。
地味で物静かな人。
真面目にコツコツやっている人。
そんな人に限って選ばれなかったりします。
「組んでも面白味がない。」って陰で言われているのを聞くと、うんざりします。
- 両想いにならないと成り立たないシステム
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T.Nさん
所属:循環器科
両思い以外は気まずいだけです。
誰を指名するか?
わざわざ公表しますからね。しかも理由付きで。
公表してフラれたらショックなだけです。
両想い組はみんな笑顔。
フラれ組は顔がひきつりまくっている。
こんな制度、はたから見たら滑稽だと思いますよ。
- 単なる人気投票
-
U.Kさん
所属:呼吸器科
先日わたしの職場でパートナー決めがありました。
第三候補まで決めた用紙を提出する仕組みです。
私自身、職場ではベテラン組に入ります。
普段から愚痴を聞いたり、仕事を手伝ったりと、頼りにしてくれる後輩はいました。
ですから、パートナー決めもすんなりいくだろうと。
けど、誰からも選んでもらえませんでした。
さすがに凹みます。
しかも、なぜか希望が集中したのは、普段仕事が超適当な同期です。
まさに人気投票ですね、このシステムは。
虚しいです。
- ナース総選挙?
-
N.Yさん
所属:整形
毎年病棟でパートナー決めがあります。
みんなの前で「第一希望○○さん、第二希望○○さん、第三希望○○さん」
理由もそれぞれ言わされます。
その挙句、希望した相手からは全く選ばれません。
残酷なのは、誰も何も言ってくれないことです。
上司まで黙っています。
こんな気まずい方式辞めればいいのに。
- なんちゃってPNS
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K.Tさん
所属:産婦人科
PNS導入済みです。
でも、機能していません。
形だけです。
パートナー決めから適当です。
話し合い?
そんなの全くありません。
実際は、役職者の決め打ちです。
師長はメンバー同士の細かい相性まで把握していません。
なのに、彼女の直感だけで組み合わせています。
ほんと業務がやりにくいですよ。
「元の固定チームナーシングに戻して欲しい。」
みんな言っています。
- 誰からも指名されない人に対するフォローがない
-
U.Yさん
所属:消化器外科
わたしの病院では、第3希望まで希望のパートナーを言います。
そのうち誰かとは組めるだろうなと思っていました。
だって、普段からメチャクチャ愚痴を言い合う仲間がいたので。
ところが、「投票の結果、あなたは誰からも指名がなかった。」と、主任にみんなの前で言われました。
恥ずかしさ、悔しさ、失望感。
いろいろな感情が込みあがってきて顔を上がられませんでした。
結局、残った人だけ集められ、無理矢理ペアになりました。
そのあとトイレにかけこんで静かに泣きました。
あれだけ仲が良かったのに。
全部ウソだったの?って。
人間性まで否定された気分です。
- 希望制という名の公開いじめ
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E.Aさん
所属:外科
うちの病院では、年度初めにパートナーの発表があります。
あらかじめ希望を提出します。
毎回わたしを希望してくれる人がいません。
全員が談合並みに組んでいます。
イジメみたいなペアの決め方。
本当に辞めてほしいです。
つら過ぎます。
どうしてこんなやり方なの?
- 上司の冷たい対応
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E.Rさん
所属:急性期病棟
パートナー選びの時期が来ると胃が痛くなります。
1年間一緒に仕事をする相手ですから。
みんなが慎重に選ぶのはわかります。
この3年。
わたしは選ばれたことがありません。
余りものです。
毎回、残った新人と組まされています。
上司に「この制度がきつい。」と相談しました。
でも、「あなたが選ばれるように頑張ればいい。」と一言だけでした。
昔、小学校でいじめに遭ったときのことを思い出します。
先生に相談したら、「いじめられるあなたが悪い。気をつけなさい。」と頭ごなしに言われたことと重なるんです。
それでも自分なりに3年間、周りに好かれようと気を遣ってきました。
でも、もう限界です。
2.人間関係でトラブる
いかがでしたか?
パートナー決めは想像以上に残酷でしたね。
ところが、本当に辛いのはそのあとです。
「嫌いな相手と組まされた。」
「ベテランが威張り散らす。」
「後輩の仕事が遅すぎる。」
様々な理由で、人間関係がトラブっています。
さっそく、PNSが原因でもめた看護師の話を聞いてみましょう。
- 嫌いな相手と組まされて最悪
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I.Oさん(・女)
所属:混合病棟
以前、シフトでもめた同僚と組むことになりました。
もめた当初、主任にあれだけ相談していたのに・・・。
もう、ビックリです。
予感的中。
毎回業務の分担内容で揉めます。
いちいちお願いするのが苦痛で・・
なるべく1人でこなせるように工夫していました。
でも、どうしても手伝ってもらわないことってありますよね。
「お願いします!」と言っても、あからさまに嫌な顔をされて。
それ以来、頼みづらくなりました。
結局、我慢して彼女の分までやっています。
これじゃ1人でやっているのと変わりません。
むしろ1人の方が気持ちは楽です。
- できる人の負担が増えるだけ
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A.Hさん
所属:脳神経外科
ペア間で、どちらかの負担が増えるだけです。
PNSを導入した目的は、互いにチェックしてミスをなくすこと。
でも、それほどミスが減ったようには思えませんし、できる方が常にできない方を支えています。
だから、できない方がミスをすれば、できる方がかばったり、一緒にレポートを書いたり。
そんな感じです。
ミスしても、責任の所在が曖昧になりやすいところにも問題があると思います。
- 暗黙の主従関係
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S.Yさん
所属:整形外科
バイタルは先輩、わたしは患者さんのケア+カルテの記入。
最初から決めつけでした。
この半年。
交代なし。ずーっと同じです。
先輩は自分のことだけやったら次に行ってしまいます。
だから、ケアの途中で切り上げて、無理矢理ついていかないといけなくて。
まるでわたしは付き人です。
微妙にペア同士の立場の違いが影響する方式ですね。
- 嫌いな業務はやらなくても済む方式
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A.Rさん
所属:血液内科
恥ずかしながら点滴が苦手で。
逆にペアの彼女は超得意なんですよ。
彼女が率先してやってくれるので、わたしはバイタルや清拭をメインにやっています。
苦手な業務は相手がやってくれるので正直助かっています。
けど、ペアに嫌な仕事をおしつけて手抜きができる制度っていったい・・・。
- 新人ナースがため口
-
O.Mさん(中堅看護師)
所属:呼吸器
うちの病院では「PNSでは立場が対等だからね。」と言われています。
1年目だろうが10年目だろうが対等に話すようになっています。
なので、新人ナースもため口です。
「これ、やれってくれる?」
「○○もっと早くして!」といった感じで・・
まあ、これぐらいならアリです。
でも、最近進化して・・
「ねえ。」とか。
「マジで~。」とか。
わたしが年取ったせいなのか、言葉遣いに違和感があります。
対等ってこういうことなのでしょうか?
二十歳の女の子にため口で軽くあしらわれ気味のおばちゃんナースの悩みです(汗)
職場自体が、対等=ため口OKにしているので、これからも変わらないとあきらめています。
- 相手に無視される
-
H.Mさん
異動先:オペ室
半年前、消化器科からオペ室に異動してきました。
今のパートナーから露骨に無視されています。
かといって、上司は全くあてになりません。
注意や指摘もしてくれません。
時々他病棟からPNSの監査みたいなものが入ります。
無視に気づいた監査役が無視を指摘してくれました。
でも、その後なかったことになっています。
これでもわたし、異動前はPNSで高評価だったんです。
上司やメンバーによって、PNSは天国にも地獄にもなります。
3.業務量が増える
PNSの問題は人間関係にとどまりません。
看護師の業務量まで増やしています。
本来PNSは二人三脚で効率化できるしくみのはず。
でもやり方次第では倍になることも!?
さっそくご覧ください。
- 単純に患者さんの数が倍になっただけ
-
S.Nさん
所属:急性期病棟
一人だと6名の食事介助でよかったのが、PNSだと12名しないといけない。
点滴、吸引も×2倍です。
さらにおかしいのは組み合わせです。
わたしは2年目。相手も2年目。
お互いまだまだ手際よくこなせません。
どちらが片方だけでもベテランだったらよかった。
互いに足をひっぱりあってばかりです。
結局、残業して2倍の数をこなしています。
- 看護師不足の病院は導入すべきじゃない
-
H.Tさん
所属:消化器科
PNSは人手が足りている職場じゃなければ、やっちゃダメです。
チームナーシングだと一人8人検温すればよかったのに、PNSに代わってから二人で16人。
互いの担当患者が自分の患者に加算される感覚です。
単純に2倍、受け持った感覚です。
だから午前中は検温でいっぱいいっぱい。
コールがばんばん鳴ってもとれる看護師なんていませんよ。
看護師不足の病院は、PNS入れちゃダメ!
失敗からわかったこと
PNSで生じたトラブルは看護師だけのせいではありません。
むしろトラブらせた職場に問題があります。
職場がきちんと調整さえすれば、彼女たちはペア決めで不正をする必要はなかったし、誰からも選ばれずに孤立感を味わうこともなかったのです。
重要なのは、病院側の体制です。
PNSを導入する際は、まず環境を整えなければなりません。
・健全に話し合える雰囲気づくり
・PNSマインド(尊重、協力、成長)の教育
・信頼される上司の育成
・上司の指導力
これらを整えてからでないとPNSは成功しません。
今回PNSで失敗した病院は、整えずに見切り発車をしたからです。
なかには、体力や力量のない病院が無理矢理PNSを導入しているケースまであります。
その病院のせいで看護師は苦しんでいます。
「誰と組めるか。」
「誰かに指名してもらえるか。」
毎年、安易なパートナー決めで悩まされています。
パートナー決めの要は上司です。
とくに選ばれなかった人へのフォローは上司の役目です。
相性の合わないペアの問題も上司が対応すべきです。
いざというときに対処できる上司のいない病院は、PNSを導入すべきじゃありません。
とはいえ、きちんと整備されればうまくいくのか?
ホントかなって思いますよね。
では、PNSでうまくいっている看護師たちの意見も聞いてみましょう。
PNSが成功した病院で働く看護師たち
病院の体制が整えばPNSはうまくいくと説明しました。
では、実際どんなメリットを感じているのか?
ごらんください。
- 信頼できるリーダーナースがいる
-
H.Hさん
所属:循環器科
うちの病院はリーダーナースが看護師の性格やスキルを把握しています。
パートナー決めのときは、リーダーナースを中心に話し合います。
個人的な感情ではなく、客観的な意見を交えながら丁寧に決めています。
リーダーナースがいるから、もめずにやれているのかな。
誰とでも分け隔てしないし、とにかく空気作りが上手なので、とても助かっています。
- 従来のチームナーシングより効率的
-
U.Kさん
所属:脳神経外科
私が勤めている病院では、業務内容と、ペアの分担内容がきっちり決まっています。
例えば、1人が点滴している間、もう1人がカルテを記入するので、全く無駄がありません。
体位交換や保清時は2人でやることになっています。
そのほうが時短できるので助かりますね。
常にパラレルで動くしくみがあるので、手が空いたら次の業務に時間差でとりかかったり。
無駄な時間がない分残業がなくなりました。
- パートナー決めを成功させるのが私の役割
-
S.Yさん(師長)
所属:消化器外科
うちの病棟では、2年目、3年目の看護師は10年超のベテランと組ませています。
ただし、パートナー決めは慎重にやっていますよ。
スキルのばらつきだけでなく、お互いの性格やタイプなどじっくり見極めるのが師長の役目だと思っていますから。上手く組み合わせることで、スキルに自信がない看護師をベテランがガッツリフォローできています。
ベテランの手技を間近で習得できることが、PNSのメリットだと考えています。
結果ミスやインシデントも減りました。
「相談できる相手がいる。」
この安心感が良い方向に作用していると実感しています。
- 中途採用者には助かる制度
-
H.Iさん
転職:循環器→消化器
今回転職する際にPNS導入の職場を条件に探しました。
以前の職場もPNSだったので。
PNSがしっかり浸透している職場というのは、それなりに体制が整っていると体感ですがありました。
PNSってブームに乗っかって、いろいろな病院が導入していますよね。
ところが、人員や環境を整えずいきなり導入した病院は、なかなか看護師が馴染めず、途中でつまずいて、もめにもめている!という話もよく耳に入っていました。転職後、同い年ぐらいのパートナーを付けていただきました。
相手が若い新人だったり、逆に年が離れたベテランだと正直やりづらかったかもしれません。
病院側が適切に組み合わせてくれたと思います。実際、循環器で働いていたわたしにとって消化器は別世界でした。
でも、共通する業務から任せてもらって少しずつ相手の処置を見ながら覚えていく。
1人だときっと不安だったし、飲み込みも遅かったと思います。
PNSだからこそ自然と業務に馴染めたのだと実感しています。
- 病院がPNSを管理してくれている
-
E.Rさん
所属:整形外科
病院側が避けたいのは、不公平が原因で生じる人間関係のトラブルです。
このまえ師長がおっしゃっていました。
そのせいか、うちの病院はきっちり管理してくれています。
・PNSで組むペア決め
・業務内容(具体的には以下の通り)
点滴、ワゴン準備
ラウンド
検温、処置、ケア
カルテの記入
委員会活動
インシデントレポート
病棟の係りの仕事
パートナーの委員会、係りの補完
必要時のリシャッフル(残業削減、業務量のバランス)明確ですよね。
これだけ決まっていると、協力しよう!という気持ちが自然と出てきます。
正直、パートナー決めは毎年不安です。
でも、師長が最後まできっちり音頭をとってくれるので、気持ちよく決まっていますね。
職場の上司がほどよく介入してくれているからこそ、PNSが成り立っていると思います。
- 相談できる相手がいる
-
N.Tさん
所属:呼吸器科
PNSになってから1年。
それまで一人で何もかもしょいこんでいました。
アセスメント1つ1つが常に不安でした。
でも、今は頼れる先輩パートナーがいます。
先輩の目があるだけで、こんなに気が楽になるなんて。
苦手だったルート確保もスムーズにできるようになりました。
ベテランの方の仕事ぶりを傍で学べるので、わたしのようなペーペーにはホントありがたいです。
- 職場の人間関係次第です
-
T.Kさん
転職:3回目
いずれの病院もPNSでした。
ぶっちゃけ、職場のメンバー次第です。
同じPNSでもみんながオープンで前向きないい人達だと快適ですよ。
逆に、悪口、陰口、いじめだらけの陰湿なメンバーだともう最悪です。
更に言うなら、陰湿なメンバーがそろうのは職場環境が悪いからなんですよね。
人手不足だったり、残業過多だったり、給料激安だったり。
PNSと人と職場環境。
関係大ありです!
成功からわかったこと
PNSがうまくいく秘訣。
それは病院の本気度です。
どれだけPNSに病院組織が本気で介入してくれるか。
これで決まります。
とくにパートナー選びはナイーブな作業。
だから病院側のフォローは絶対必要です。
まず病院がPNSの繊細さを理解すること。
そして、適切なペアを組めるようアシストすること。
そのうえ、組んだペアで問題が生じたらきっちり対処すること。
これができている病院はみんな成功していることがわかりました。
PNSの悩みを解決する方法
これまでPNSでトラブった看護師と、成功した看護師の意見を紹介しました。
そのカギは病院が握っているということもわかっていただけたと思います。
なので、PNSが問題ではありません。
PNSを導入している病院の問題です。
もしPNSで悩んでいるなら、それは病院の介入度が足りないからです。
ハッキリ言いますね。
あなたの悩みは解決しません。
それは病院の体制が不十分だからです。
このまま耐え続けるか。
もっと本気で対処してくれる病院で働くか。
この2つです。
仮に転職するとしても、PNSが成功している病院を探すのは至難の業です。
病院の外から知るには限界があるからです。
普通は現場の看護師にしかわかりませんから。
でも、1つだけ知る方法があります。
転職サイトです。
病院の内情まで熟知していますから。
ズバリ!PNSで成功している病院を問い合わせてみましょう。
問い合わせ先はこちら
→→病院の内情を熟知している転職サイト