ご相談
Y.Sさん(20代・看護師)
初めて相談させていただきます。
私は看護師の女です。
まだ1年目です。
毎日辞めたいと思っています…。
でも色々と不安で辞められません…。
そこでいくつか教えてください。
1年も経たずに辞めた新人はいますか?
その後、その人はどうなりましたか?
周りの反応はどうでしたか?
教えて頂けると幸いです。
回答
里谷エリカ(30代・看護師)
こんにちわ。
里谷と申します。
退職するときは不安ですよね…。
実は私、新人1年目で退職経験アリです(+o+)
色々とやらかしました…(遠い目)
ダメダメだった私も今では12年目です。
新人さんの面倒を見ることも多いです。
上手く伸びてくれる子もいますが、途中で辞めていく新人さんはどうしても出てきます。
そうした事例がお役に立てばと思い、いくつかの事例を元に回答してみます。
※ご本人達には了承もらっています(^^)
事例1
女性の新人さん(看護師・当時23歳)
かなり緊張している新人さんでした。
もちろん新人なら誰でも緊張はしますが、この方は見ていて痛々しいくらい挙動不審でした。
問題が起きても報告や相談をせず、全部自分で解決しようとしていました。
しかも何度注意されても変わらず。
とうとうプリセプターの方が投げ出してしまい、誰も面倒を見たがらず、「里谷さんまたおねがーい」と私が担当することに(^^)
確かにこの子はチョット癖があるなという感じでした(個人的には逆に燃えますw)
曖昧な指示が理解出ない様子。
最初は試行錯誤でしたが、それでも徐々に仕事に慣れてくれました。
(手順を1から10まで丁寧に説明すると、理解してくれるタイプの子でした)
でも「そろそろ担当を」という時期に、私がヘルプでICUへ3ヵ月間限定で異動することに。
プリセプターの方には、彼女の教育方法をシッカリと伝えたのですが…。
新人さんが辞めたのは、1年目の12月です。
クビに近い形でした。
きっかけは車イスの患者さんをトイレで介助中、転倒させてしまったこと。
しかも、転倒した患者さんを助けずに、試験管への採尿でアワアワしている所を先輩ナースに発見されるという…。
たぶん予想外の事が起きすぎてパニックになっていたのかなと…。
これ以外にも、看護師としての責任感や危機管理能力を問われるような事件を起こしていたそうで、これが決定打となりました。
患者さんの安全が保てない。
危険だ。
これ以上面倒見れない。
異動も予定されましたが、どこも受け入れてくれず、役員の満場一致で退職に。
周りの反応は「まあそうなるよね」といった感じでした。
「いつかはやらかす」という不安を誰もが持っていたようで…。
今思えば、この子には発達障害があったのだと思います。
軽度だとは思うのですが、病棟では致命的だったのかもしれません。
もちろん新人時代は、誰でもミスしますし、たいていは先輩が助けてくれます。
でも周りになじめずに孤立すると、誰も助けてくれないですからね…。
その子はクビを聞いて「そうですよね…、そうですよね…、分かりました」と、淡々と受け入れたそうです。
その日のうちに私物をまとめて退職に。
一人立ちしていなかったので、担当もシフトもなく即日退職です。
私が彼女の退職を知ったのは何日も経ってから( ノД`)
彼女はその後、いくつかの病院を転々。
今は、健診センターで正社員として働いています。
彼女とは退職後も連絡を取りあっており「どうしても長続きしません…」という相談を受け、私の親友が働いている健診センターを紹介してもらった感じです。
親友が面倒を見てくれているので安心です。
でもやはり心配になはなり。
恐るおそる、彼女の働きっぷりを聞いてみると…、
「全然大丈夫。むしろエースに育ちつつある」
「マジで!?Σ(´∀`;)」
彼女、採血がムチャクチャ上手らしいです。
健診センターの採血は、行列できやすく、失敗して患者さんから怒鳴られるため、誰も入りたがらないポジションなのだそうですが、彼女は嫌がることもなく入ってくれ、しかも失敗が少なく、かなり早いペースで淡々とこなせるそうで。
心電図や注射(胃透視検査前の筋肉注射)もセンター内で一番上手なのだとか。
でも実は「彼女は健診センターが合っていそう」と思っていました。
イレギュラーの少ない職場が向いていると思ったのです。
それがドンピシャでハマった感じです。
誰にでも自分に合った居場所があるのだと思います。
彼女も「安心できる職場で働きやすい」と言っていました。
1年目で辞めても全然大丈夫だよ、って事例でした(^^)
事例2
女性の新人さん(看護師・当時22歳)
国立大出身の頭のいい新人さんでした。
でも自分の考えを突き通すタイプ。
他人の言うことに全く耳を貸さない感じです。
新人さんなのに(^^;)
プリセプターからの指導には「私はこう思う」と反論していました。
ミスを指摘されても「これが私のやり方」と間違いを認めなかったり。
当然こうした態度を取られた先輩は立場がありません。
徐々に人が離れていき、プリセプターまでも離れ、誰も近寄らなくなり。
でも私は「まるで昔の自分を見ているようだw」と生意気な態度もあまり気にならず。
自然と私が面倒を見るように。
接してみると、普段は素直でかわいい子でした。
プライベートの話もしてくれ、普通の新人さんと変わらないなと思いました。
でも看護の事になると、途端に頑固者になるのです…。
何に関しても、誰であっても突っかかってくるため、ステーション全体の不満が溜まっていった感じです。
「とにかく疲れる」「イライラする」「話したくない」と。
私が休みの時は、完全に孤立していたようで。
退職したのは1年目の10月頃。
仕事を休みがちになり、とうとう退職に。
周りの反応は「まあしょうがない」といった感じです。
ハッキリ言えば、かなり嫌われていました。
それでも私が見る限り、主任やプリは「何とか育てよう」と試行錯誤していました。
他の先輩達も「生意気な新人だけど、たまにいるよね」「私も面倒見るよ」と言ってくれました。
でもやはり限度はあり…。
夏ごろには諦めの空気があり、突然の休職や退職に驚く人もおらず。
むしろホッとした空気すらありました。
最後の見送りは私だけ…。
これは流石にかわいそうでした(T-T)
でも今彼女は、某市立病院の主任さんです(^^)
異例の大出世!
少し丸くなれば、凄い看護師になるんだろうなと思っていました。
そのくらい優秀な子でした。
でもまさか20代で主任になるとは(^^;)
もちろん彼女の頑張りがあったからです。
それに「彼女が頑張りやすい環境だったのかな」とも思います。
本人は「問題が多すぎて胃がキリキリします…」と言っていました。
でも何だかんだ楽しそうなので良しでしょう。
(≧▽≦)
転職先で花開くこともある、という事例でした(^^)
事例3
女性の新人さん(看護師・当時22歳)
明るくて社交的な子でした。
働き出してからも、夜遊びをしていたみたいです。
カルテ入力しながらよく居眠りしていました。
向上心はあまりない感じ。
「普通に働いてお金貰えたらいいやー」といったような。
指導しても、メモを取らないし、覚える気も感じられない。
仕事も雑。
自然と孤立した状態に。
こうした子はいつも私が面倒を見ることになります。
とは言え、明るくて人懐っこく憎めない子であり、個人的な相性も良く、普通に楽しかったです。
夜遊びの話は、別世界のようで大変おもしろく聞かせてもらいました(^^)
仕事は、言えばちゃんと聞いてくれる子でした。
担当も持てましたし、夜勤にも入れるようになりました。
退職したのは8月末。
「やっぱり看護は向いてなかった」
「他にやりたい事がある」
私は「辞めちゃダメ!」としつこく説得していたのですが、ふらふら~っと消えてきました(^^;)
師長は何かと手を焼いており、ホッとした様子(^^;)
個人的には「もう少し頑張ったら、いい看護師になれたのに…」と思っていました。
その後、彼女は仕事を転々。
東京に行ったり、大阪に行ったり。
販売をしたり、お水のお仕事をしたり。
でも今は、周りまわってまた看護師です(^^;)
本人いわく「適当に働けば、それなりに給料出るんで楽っすーw」と。
職場は単科の精神科病院。
そこの隔離病棟で働いています。
ちなみにここも私の友達経由の紹介です(^^;)
ブランクがあったので最初はアルバイトで入って、やっていけそうとお墨付きをもらってからの正社員という感じでした。
地元では危険で有名な職場なのですが、物おじせず明るくて気さくな彼女には合っていたようです。
しかも去年職場結婚!ヽ(^o^)丿
結婚式は彼女らしくハデハデでサイコーでした(≧▽≦)
誰にでも自分に合った居場所がある、という事例でした(^^)
事例4
女性の新人さん(看護師・当時38歳)
社会人から看護師になった方です。
新人さんですが、私よりも年上でした。
でも一部からは、敬語を使わない、やりづらいといった声も。
ご本人から見たら、一回りも年下の先輩ばかりですからね…。
距離感は難しかったのだと思います。
そうしてこの方も私が面倒を見ることに(^^;)
性格は物静かで温厚な方でした。
几帳面でお願いした仕事は、きっちりこなしてくれました。
個人的には、私の母に雰囲気が似ていることもあり好感。
でもステーションとしては、年の離れた新人さんを持て余している感じでもあり。
退職したのはちょうど1年経った3月末。
理由は持病の腰痛の悪化です。
でもこれは表向きの理由。
本当は、周りに馴染めなかったからです。
色々と手をまわしましたが、私がいない時は一人でご飯を食べていたようですし、話しかけてくれる人も少なかったようです。
それに年下の先輩からの指導はやはり厳しかったようで、不眠や体調不良になっていました。
看護学校時代からずっと動きっぱなしで、働き出してからも覚えることが多く、周りともうまくいかず、とにかく疲れ果てたと。
周りの反応は「まあしょうがないよね」といった感じ。
いつもながら冷たい感じですが、医療の世界はどこも同じなのかなと…。
それでも1年頑張った方ですから。
部長や師長を説得して、円満退職ということで送別会を開いて頂き、みんなに見送られての最後となったのです(^^)
この方、今は介護施設で働いています。
送別会で、部長から系列の介護施設を紹介された感じです。
ご本人いわく「適度に忙しくてちょうどいい感じ」とのことでした(^^)
送別会開いてもらって本当によかった!
まとめ
ハッピーエンドの事例ばかりでしたね(^^;)
でも実際わたしの周りでは、1年目で辞めても、看護師を続けている人ばかりです。
私も1年目は地獄のようでしたが、今は普通に働けています(^^)
一般的に「1年目は誰でも辛い」と言われています。
確かにその通りだと思います。
でもそこを無事に通過できるかどうかは、周りのサポート次第だと思うのです。
私自身、助けてもらった恩人の方がいます。
今回の事例の方々も、誰かしらに助けられています。
結局、職場の良し悪しは人間関係だと思いませんか?
周りのサポートが得られなければ、誰だって潰れてします。
それが1年目の新人さんであればなおさら。
そうした時は、転職も検討してください。
人間関係は、転職で劇的に改善する可能性がありますので。
今の職場を続けたい理由はありますか?
もしこだわる理由がないのであれば、転職が良いのだと思います。
そうした相談をできる方が身近にいませんか?
他人から見た「自分の適性」って結構当たっていたりします。
私はその辺りの嗅覚が鋭いのです(^^)
友達や先輩に相談してみてください。
相談しづらい時は、職業系のアドバイザーの方に相談するのもいいですよ。
例えば看護協会のアドバイザーさんとか。
私の場合だと、転職サイトのアドバイザーの方にお世話になること多いです。
例えば前回の転職は、看護rooという転職サイトに登録したのですが、ここのアドバイザーさんが予想外に優秀な方で、何から何までやって頂き、まさにおんぶに抱っこで、いつの間にか内定が決まっていた感じです。
今の職場は、人間関係は良好ですし、有休も取れますし、こんな私でも月収40万円近いです(^^;)
良い職場を探してもらえました。
こうしたサービスを上手に活用するのもオススメです。
特に看護rooは二次新卒のサポートに力を入れているので、相談だけでも歓迎されると思います(^^)
参考:看護rooの公式サイト
辛い時期さえ通ってしまえば、後の人生は何とでもなるものです。
看護の資格があれば、日本全国どこにでも仕事はありますし、経済的に困ることもないです。
あと一歩の勇気です!
応援しています!!!
ガンバレ!!!