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看護師から見た治験コーディネーターとは?


最近”治験コーディネーター”という職種が増えつつあります。
情報に敏感な医療従事者からも良く聞かれるので、随時答えるのではなくここで紹介させていただくことにしました。
具体的にどういった事を行う仕事なのか?どんな人がなるのか?
イメージがわかない方も多いと思います。
増えた背景には、新薬を作る製薬会社や医療業界の方々が治験コーディネーターを必要としていることが挙げられます。
医療関係の職種のため、看護師さんや薬剤師さん、医療スタッフの方にとって、これからの就職先の選択肢の一つとして注目すべき職種と言って間違いないです。


要約

治験コーディネーターは短縮して CRC(Clinical Research Coordinatorの略)と言います。
ネーミングからすると製薬会社に勤める開発側の人間と誤解されがちですが、実際は病院側の医療スタッフに近い存在と言えます。

日本では一年間に40から50種類の新薬が生まれています。
新薬を生み出すために製薬会社は数百円規模の予算をかけ、10年以上の長い開発期間を必要とします。
開発の最終段階で試薬対象が、人=患者さんになり、これを治験と言います。
そこで治験コーディネーターの出番となるわけです。

1. 新薬開発のための試験(治験)を行って欲しい製薬会社
2. その治験を行う機関である病院
3. 治験を行う対象の患者さん
この3者を取り持つ”橋渡し役”と言える職業です。

”橋渡し役”がいない場合どうなると思いますか?
作った製薬会社が突然病院を訪れ、寝ている患者さんを起こして「この薬試してみて?」とは言えません。
薬は人の命を左右します。
飛び込みの営業さんが新発売のジュースを試飲してもらうのとは訳が違います。

依頼する製薬会社からの連絡や情報の共有、実施施設での医師や医療スタッフとの連携及びサポート、実施対象となる患者さんへの連絡、説明やケアを行います。
治験終了後には報告書のサポートや厳しい監査報告の一部を担います。
このように、治験にかかわるチーム全体の連携をスムーズにする役割を果たしています。


具体的な仕事内容について教えて?

治験コーディネーターの仕事として治験前準備、治験開始、治験終了後の3つに分かれます。


治験前は?

新薬を開発する製薬会社から治験の依頼

治験内容を理解・把握
※治験実施計画書に基づき製薬会社の臨床開発モニターの説明を受けます。

治験の概要、スケジュール、禁止事項についてのミーティング資料作成

実施機関の関係者への治験内容の説明
※関係者:治験責任医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、製薬会社モニター、事務局の担当者

治験に使う検査キットなどの管理


治験開始すると?

治験に参加する対象の患者さん抽出(スクリーニング)
※とても重要でストレスのかかる業務です。

同意説明(インフォームドコンセプト)
※どのような治療か、来院のスケジュール、副作用の可能性、内容についてを説明する必要があります。
十分な説明をし、納得した患者さんだけが治験を受けることができます。
この説明のもとになる資料を治験コーディネーターが作成します。

患者さんのケア

来院のスケジュール確認、面談、服薬、残薬管理、有害事象の確認、負担軽減費支払いの確認
※患者さんへの連絡などが主な仕事になります

医師診察に同席、計画書通りか進捗確認
※患者さんの経過観察を行い、副作用に対する不安や相談に応じることが重要な役割の一つです。

治験を実施している医師や薬剤師、検査部門のスタッフと連携し、治験薬の管理や検体の管理の確認

症例報告書(CRF)を作成
※試験コーディネーターの重要な仕事の一つです。
治験を依頼してきた製薬会社へ報告するための症例報告書を作成補助する仕事です。
医学的判断を必要としない治験時の元データからの転記を主に行います。
カルテや、検査結果、投薬の記録、投影した画像、症状についての記録が元データとなります。

製薬会社の臨床開発モニターへ対応
※製薬会社のモニターによる監査への対応を行います。
治験がGCPという厳格な法律に基づいて行われているか、予定通り進捗しているかをチェックすることが目的です。
ごくまれに、治験時に有害な副作用が起きる場合があり、一次対応をするのが治験コーディネーターの仕事となります。


治験終了したら?

全ての症例報告書の作成が完了後、治験終了報告書作成
※治験に参加している患者さんの追跡調査が完了した時点で、治験コーディネーターが治験終了報告書の原案を作成します。
依頼元の製薬会社へ内容を確認してもらい、その後治験責任医師が確認したのちに、その実施機関の長に提出します。
※治験の状況を把握している治験コーディネーターが速やかに正確に治験の結果を報告することが重要な仕事になります

国の監査対応
※一部の実施機関では、国による監査が行われます。
GCPに基づいた治験が正確に遂行されたかどうかチェックするのが目的です。
監査人に対して資料の提示や閲覧を促すサポート役を担います。

新薬の誕生


治験コーディネーターの何が面白い?

治験コーディネーター-は治験に関わる多くの人の中心に立ち治験を進めます。
例えば偉い先生たちをリードできたりします。
治験には医師や、開発者、医療スタッフや国の監査担当者など多くの地位のある人たちが携わっています。
治験コーディネーターを介してのやり取りが発生します。
そのため、司会の進行役のように彼らをリードして治験を動かしているところに面白さはあります。
他にも、新薬という「未来の薬」を生み出す仕事に携わっていること自体に、面白さはあるのではないでしょうか。


看護師とどう違うの?

患者さんへの医療行為がほとんどない点です。
確かに患者さんや医師と関わる点は同じですが、治験コーディネーターは独立した職業です。
治験内容の説明、来院スケジュールの連絡や服薬管理、心のケアといったように看護師さんと同様、患者さんと関わる機会は多くあります。
しかし、看護師さんと違って外来や病棟勤務のような医療行為はほとんど行いません。


他にはどこが違う?

上下関係がほとんどなく人間関係もドライです。
実施機関に配置される治験コーディネーターは原則一人です。
看護師さんのように複数で同じ仕事を分担することがないため、一人プレイできるところが異なります。
医師や医療スタッフとのチームプレイはありますが、立場が異なるため人間関係は良い意味でドライだと言えます。


病院にずっといるの?

ずっとはいません。
治験コーディネーターは企業に所属している会社員です。
治験を依頼されて実施する機関に治験終了まで配属される仕組みです。
実際は、朝病院に行き、当日の治験スケジュール終了後オフィスに戻り報告書を挙げるといったスケジュールです。
治験は毎回同じ場所で実施されないため、配置する施設が異なる場合があります。
病院に常勤している看護師さんとは違う点です。


すぐになれるの?何か資格は必要なの?

治験コーディネーターは歴史が浅く、特に資格は必要ありません。
看護師資格も不要です。
極端な話、企業のOLさんが治験コーディネーターになることもできるわけです。


どんな人が向いている?

医療に精通した人の方が有利です。
患者さんの扱いや、病状の管理、服薬の知識など、患者さんに寄り添った業務もあるため、看護師さんや看護師の資格を持った人向けの職業です。


他には?

”コミュニケーションに自信がある、または好きな人”です。
治験コーディネーターは立場の異なる人たちとコミュニケーションをとる仕事とも言えます。
相手が医師だったり、製薬会社のスタッフだったり、患者さんだったりと変わります。
応じて話し方や接し方も変えるスキルが求められます。
男性より女性が多いのも一理あります。


まだある?

”事務仕事が得意な人や好きな人”です。
スケジュールの組み立てや、報告書の作成、ミーティング資料の作成や、データの転記作業など事務仕事が多いのも特徴です。
患者さん対応がメインの看護師さんの仕事と違い、多様性があるため色々な事をやって過ごしたいと思う方にも向いています。


あえてデメリットは?

最大のデメリットは、治験は全国各地で行われているため、出張があるという点です。
一か所定住型の看護師さんとの違いでもあります。
また、勤めている企業によってはこなした治験の数といったように成果主義なところがあります。
そのため年収にバラつきがある点です。

他に、看護師さんから転職した場合、看護師とは異なる仕事も多いため、経験を全て生かすことができない点です。
逆に、看護師さんに戻ろうと思った場合、治験コーディネーターの経験はあまり役に立たない可能性が高いです。


メリットは?

最大のメリットは資格不要で未経験でも就職できるところです。
看護師から転職しやすい点です。

また、治験コーディネーターは企業の従業員です。
そのため、看護師さんのように夜勤もなければ、土日完全週休2日制がほとんどです。
不規則で勤務時間の多い環境から抜け出したい方にはお勧めです。


どこで就職できるの?

治験コーディネーターの勤務先として2タイプあります。
1. 依頼される医療機関(病院)を代行して治験を行う「SMO(治験施設支援機関)」に勤めるタイプ
2. 依頼主の製薬会社を代行してサポートする「CRO(医薬品開発受託機関)」に勤めるタイプ
があります。


これからどうなるの?

製薬会社が治験を更にアウトソーシング化していく動きがあります。
治験コーディネーターのニーズも更に高くなり求人も増えていくことが予測されます。


まとめ

治験コーディネーターとはどういった仕事をする人たちかイメージはわきましたか?
外資系の製薬会社の勢力も拡大しており、世界的に競争が激化していっています。
更にニーズが高まっていく職業であることは確かです。
残業超過でドロドロとした人間関係に苦しみながら看護師をしている方、育児で一度リタイヤした方にとっての復職の場所として、新たな選択肢であることを知ってもらえたらと思います。

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