看護師の外来は本当に楽?転職のメリットデメリットまるごと解説!

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看護師の皆さん、こんにちは。
自称ベテランナースのU子(歴18年)です。

「外来は楽だよ~!」って言うけど本当でしょうか?

今回は、外来の仕事が本当に楽なのか?
U子があらゆる角度から探ってみました。

その真実はいかに!!!
ごらんあれ。

最近の外来の特徴

とくにここ最近、外来患者数が増えています。
赤ちゃん~高齢者、軽い痛み~重い疾患をかかえた患者さんまでホントにさまざまです。

増えた要因はズバリ3つ!
1.入院期間の短縮により、退院前後の通院患者が増えた
2.日帰り可能な治療が増えたため、外来対応が増えた
(日帰り手術、内視鏡検査、がん化学療法など)
3.超高齢化社会を迎え、慢性疾患(糖尿病、高血圧)が増えた

外来が楽かどうかはさておき、「外来=大混雑」しているのね。

ところで、外来ってどんな場所か?
ちょっと振り返っておきましょう。

看護師から見た外来

外来は病院やクリニックに訪れる患者さんを診断して、治療方針を決めるところです。
看護師は、医師や患者さんのサポートをメインに行います。
これはもう、みなさんおわかりですよね!

具体的には、受付、診察、治療、検査、入院の手配があります。
以下の1~4が外来の業務です。
1.(看護師)受付、問診
2.(医師)診察
3.(看護師)診察介助
4.(看護師)治療や処置の介助、必要に応じて入院の手配も行います。

ザックリですが・・
外来はこんな感じの場所です。

診察、治療や検査があっても医師が傍にいる分楽なのかな~。

続いては、外来看護師がどうあるべきか?
ちょっと触れておきましょう。

外来看護師の役割

役割は「さばく」と「つなぐ」この2つです。

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まず「さばく」ですが、
「いかに患者さんを正しく素早くさばけるか」
これが外来看護師が求められる役割です。

外来はとにかく忙しい!
人であふれかえった待合で、瞬時に優先順位をつけ患者さんをさばく。
外来看護師なら必ず求められます。

そして「つなぐ」です。
瞬時にコミュニケーションを取り、人と人とをつなげるのも看護師の役割です。
看護師←→患者さん(電話、受付、状況把握、優先順位の判断、療養相談、指導)
看護師←→医師(介助、連携、報告)
看護師←→ご家族(説明、ケア、療養上の指導)
看護師←→看護師※(入退院の連携、連絡)
※病棟看護師も含む

つまり一人の患者さんにつき、
観察&ヒアリング➡診察➡治療&処置
これらを、漏れなく滞りなく促すのが外来看護師の役割ですね。

外来は看護師の力量で左右される場所でもあります。
ぶっちゃけ!デキル看護師が一人いれば待合室の混雑具合もマシになりますよ。(笑)

「さばく」と「つなぐ」か~。割と慣れたら楽かも。どこでも必要なスキルだしね。

では、具体的にどんなスキルが必要なのか?
あわせて押させておきましょう。

外来看護師に必要なスキル

実際、外来看護師は以下のようなスキルが求められます。

・各種検査データの読み取り
・与薬、薬に関する知識
・栄養、食事指導に関する知識
・生活指導、運動療法に関する知識
・アセスメント力
・相談、指導力
・生活習慣、疾病に関する知識

外来看護師は、「さばく」「つなぐ」以外に、これだけの知識やスキルが必要です。

看護スキルは幅広いけど基本的なものばかり。慣れれば楽かな・・?!

続いては、外来を訪れる患者さんについて。
ちょっと見ておきましょう。

患者さんの種類

外来に訪れる患者さんは実にさまざまです。
一般的な診察、治療を受ける患者さんのほかに以下の患者さんもいらっしゃいます。

・これから病名告知を受ける人
・侵襲性の高い手術、処置、検査を受ける人
・退院直後、慢性疾患、高齢者
・器具や装置をつけた医療処置が必要な人(ストーマ、自己注射、酸素療法、導尿)

とくに上記は、重症度が高めの患者さんです。
そのためご本人だけでなく、周囲のご家族を含めた指導や支援を行ったりもしますね。

外来看護師の配置基準は30:1です。
一人で看る患者数は病棟の夜勤並みに多いですね。
忙しい日は100人以上の患者さんを相手にすることも!!
とにかく多くのいろいろな患者さんであふれているのが外来です。

患者さんによって状況は違うのね!数も多いし、しっかり相手を見て対応しなくっちゃ!

病院内の外来の種類

外来を1つにまとめている病院と、科ごとに分かれているケースがあります。

・外来が1つのケース
クリニックや医院などの診療所は外来が1つです。

・外来が複数のケース
規模の大きめの総合病院がこのタイプです。
外科、内科、眼科など治療部位や疾患、治療内容によって外来が分かれていますね。
一般外来(総合受付)
専門外来
ー内科
ー外科
ー眼科
ー口腔外科
ー緩和ケア外来
ー外来化学療法室
ー救急外来
継続外来(退院直後の患者さん専用の外来)
など、病院によってはもっと多くの外来があります。

外来って沢山あるんだ!どの病院のどこの外来で働くかによって違ってくるのかな・・

では、外来ではどんな業務があるのか?
さっそく押さえておきましょう。

業務内容

外来の仕事は、日勤業務がほとんどです。
病院によっては、土日勤務、夜間帯の業務など一部夜勤も入ってきます。
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一般的な仕事内容は、「準備作業」「外来業務」「病棟との連携」の3つ。

1.準備作業

・新、再診予約の確認
・外来カルテ、検査記録準備
・診察室の準備(医療器具の準備)
・処置室(点滴、ケガの治療)の準備
・検査、治療に使う医療器具の点検、準備
・レントゲンフィルムの準備、片づけ
・物品整理、補充

2.外来業務

・初診患者の問診
・患者の呼び入れ
・医師の診察介助
・処置実施
・検査(針生検、内視鏡検査)の介助、検査データの確認、整理
・患者さんへの生活指導、アドバイス、相談(服薬指導、運動療法、食事制限)
・患者さんへ次回受診の説明(来院日の説明・確認)
・救急患者の受け入れ
・入院手続きの案内

3.病棟との連携

・入院する患者さんを病棟看護師への連絡・申し送り
・ベッドの空き状況確認

診察、治療、検査~他部署との連携まで。とくに最初は覚えること多そう・・

外来の1日

外来の1日は、患者さんの診察、治療、検査メインに流れます。
診療科や病院によって違いはあるものの、全体的な流れは以下の通り。
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8:30出勤、診察室清掃、医療機器用意
9:00朝礼、スケジュール確認
9:30診察介助、急変患者の対応、待合室での問診、患者さんのお呼び出し
10:30採血、バイタルチェック、処置、点滴
12:00昼食
15:00外来診療補助、処置、点滴、採血
17:00カルテ記入、整理、終了!

外来は受付時間が決まっているし、夜勤や残業がない分時間は楽そう・・

外来看護師のイメージがつかめてきましたね。
では、ちょっとこれをごらんください。

病棟との違い

病棟との違いは「患者さんの状態」ですね。
外来を訪れる患者さんは未知の患者さんです。
変な話、新患はカルテすらありません。
なので、カルテを頼りに情報収集することができません。
未だ診断や治療方針の決まっていない患者さん相手に対応するのが外来です。

患者さんの訴えに耳を傾け、患者さんが発するシグナルや情報を把握する。
そして、自分の知識と経験からアセスメントする能力が求められる場所です。

観察力、コミュニケーション力。この辺がしっかりできれば楽なのかな・・

向いている看護師

外来はある程度の即戦力が求められる場所です。
少なくとも1~3年以上経験がなければ外来のスピードに対応できません。
最初はとくにそうですね。
ただし、特別高いスキルは必要なく、基本的な看護の知識や経験があれば十分です。
たとえ新人でも、人数と教育体制が整っていればなんとかなりますが、それでも速い習得は必要です。
いずれにせよ「自ら新しいことを素早く吸収できるか」が重要になってきます。

とくに下記のような人は外来向きです。

・1~3年の経験、基礎知識がある人
・同時に並行して動ける人
・コミュニケーション力がある人
・人と関わるのが好きな人
・メモを取ったり、見て学べる人
・限られた時間内でメリハリのある働き方をしたい人

やっぱりそうね。経験とコミュニケーションスキルがあれば外来はこなせそう・・

向いていない看護師

逆に、じっくり順を追って習得していくタイプの人にとっては、外来は正直ハードです。

とくに下記のような人は要注意!

・人との関わりが苦手な人
・1つのことに集中したい人
・クレームに弱くストレスをため込む人
・高齢者、小児いずれかが苦手な人
・常にスキルアップしたい人

いずれにせよ、自分がどんなタイプか?
理解しておくことも大切です。
わかることで注視できます。

外来に向いてない人は、病棟の方が向いているのかもね~。

続いては、外来の勤務体制についてごらんください。

勤務時間

ほとんどの病院が日勤帯です。

勤務時間は、日勤:9:00~17:30
木曜、土曜は午前のみのところも多く、日、祝は原則休みです。

※一部、救急指定の病院は、夜勤もあります。

うん、日勤だけだと体は楽だよね。

給料

給料は月30万。
基本給+住宅手当+残業手当が軸となります。

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引用:看護roo!より

外来は日勤業務がメイン。
ですから夜勤手当がつきません。
病棟と比べると、給料は月4~5万下がります。

一方、年収は約400万。

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引用:看護roo!ナースなわたしのお給料より

これは夜勤のある病棟と比べると60~70万DOWN↓↓↓
夜勤病棟で500万近く稼ぐか、日勤外来でプライベートと両立させるか?
究極の選択になりそうですね。

※給料事情について詳しく知りたい方はこちら
看護師の給料相場

まあ、夜勤がない分仕方ない!プライベートとの両立も楽にできるしね。

外来看護師の働く場所

外来看護師が働く場所は、クリニック、病院とさまざまです。
病院によって外来の数は異なりますが、参考までに以下をごらんください。

クリニック

クリニックは良くも悪くも院長の方針や色がでやすい場所です。
また訪れる患者さんは常連さんが多いですね。
アットホームな分、事務的な仕事も含めた雑用が多いのもクリニックの特徴です。
そのほか一般病院と違い、クリニックはまず異動がありません。
そのため常に同じスタッフと仕事を共にします。
なので居心地の良さが大事。
勤めてすぐにわかるので相性が良ければ一番楽かも!!

クリニックが楽かどうかは院長+経営方針+人間関係次第ってことね。

救急指定のない総合病院

まず、夜勤がない分楽ですね。
日勤帯で働けるので自身のスケジュールが立てやすく、生活リズムも整えやすいです。
また、外来でうまくいかなくても病院なら他の科への異動も希望できます。
ただし、その逆もありです。
外来がいいのに、病棟へ回されることがあるのが大きな病院ではありがちです。

夜勤のない総合病院は意外と穴場かも!

救急外来

逆に、救急外来は夜勤があります。
なので、当直で救急車や急患に備えます。
何もなければ基本待機。仮眠し放題といった病院もあります。
ただし、急患が入ると話は別。
ルート確保1つにしても、もたもたしている間に患者さんの容態が悪化しかねません。
また、1人がもたつくと周りの看護師にも迷惑がかかります。
とくに新人や経験の浅い看護師は足手まといになることも・・・
ひどくなると、それが原因で関係がギクシャクするともありますね。
「学ぶ姿勢」「覚えるスピード!」これがカギとなります。

何もなければ楽そう。でもスキルをつけたい人以外はハードかもね・・

いかがでしたか?
外来と言っても働く場所はさまざまでしたね。
続いては、外来のメリットデメリットをおさらいしましょう。

メリットのまとめ

外来には沢山メリットがあります。
ちょっとおさらいしておきましょう。
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※一部異なる場合もあります。

・(条件)日勤のみ(夜勤がない)
・(条件)日、祝が休み
・(条件)受付時間があるので残業が発生しにくい
・(仕事)比較的忙しくない
・(仕事)通院患者さんなので状態が安定している
・(仕事)急変に対するプレッシャーがない(医師常駐)
・(仕事)プライベートと両立しやすい
・(スキル)総合的な医療知識が身に付く
・(転職)同じ外来に転職しやすい

日勤で、休みが多め、業務が一定!基本看護のスキルは身につく。これが外来のメリットね!

一方、デメリットも押さえておきましょう。

デメリットのまとめ

外来には、意外とデメリットもあります。

・(条件)夜勤がない分、給料が安い
・(仕事)常時患者さんを待たせているので、常に急いでいる
・(仕事)受診待ち患者さんからのクレーム対応が多い
・(仕事)気の合わない患者さんとも長く付き合うことになる
・(仕事)1度に何名、何十名の患者さんをさばくことにストレスに感じる
・(仕事)介助が多いため、医師との距離が近い
・(スキル)一定のスキル以上身に付かない
・(スキル)新しい情報が入ってきにくい

給料安め、クレーム多め、とにかくバタバタ忙しい!スキルアップが難しい!これが外来のデメリットね。

以下は、現役の外来看護師さんの口コミです。
興味のある方はごらんください。

外来は楽なケース!口コミ集

以下は外来が楽だと感じるコメントを寄せてもらいました。

・なんといっても夜間まで仕事が伸びることがない。(28歳、耳鼻咽喉科)
・病棟と両方経験したけど、外来の方が残業が少ない。(33歳、一般内科)
・夜勤がないので規則的な生活ができたおかげか体重が減った!(35歳、透析)
・一期一会の患者さんばかりなのである意味気が楽。(27歳、内科)

外来は辛いケース!口コミ集

続いて、外来は辛いと感じるコメントです。

・患者さんと関わる時間が限られて物足りない。(32歳、一般内科)
・「愛想が悪い!」「待たされた!」ちょっとした理由でクレームが入りやすい。(30歳、腎臓内科)
・診察が終わると患者さんは帰っちゃうので、いる間に漏れなく対処しないといけないプレッシャーがある(26歳、耳鼻科)
・時間内に業務を回すことばかりで。もっとケアできたらな~と反省。(37歳、一般内科)
・毎日時間に追われてます(涙)(25歳、耳鼻咽喉科)
・とにかく診療前から臨戦態勢。次々訪れる患者さんの優先順位を考えつつさばきまくって疲労する。(33歳、一般内科)
・仕事ができずにぐずぐずしているとすぐに目をつけられます。(28歳、救急外来)

外来看護師になりたい方へ

いかがでしたか?
以前は「外来って楽だよね?」なんて言われることもありました。
ところが、最近の外来は以前よりも多種多様になっています。
とくに専門外来では、診療科ごとの専門知識が必要とされます。
また、高齢者や慢性疾患の患者さんの数が増えた今、
外来看護師に求められる役割は大きくなってきています。

「外来が楽かどうか?」これは働く場所や、外来の種類によっても違います。
どこの病院のどの外来が自分のスキルや経験と合致するか。
これをきっちり見極めれば外来は楽に、快適にこなせるのではないでしょうか。

応援しています!

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